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4章:テクニック論、オリジナル論

ギミックとテクニック

 マジック好きな方々の中には、《ギミック》と《テクニック》を対義語のように考える方がいらっしゃいます。
 そして、それは時折、ギミック至上主義やテクニック至上主義に繋がっていきます。

 テクニック至上主義とはたとえば、
「ギミックを使うのは初心者であり、テクニックこそが上級者の証」
というような考え方のことです。
 もちろん、考え方は個人の自由ですから、それはそれでよいのですが、ただ、優れたマジックは《ギミック》と《テクニック》が共存していることも往々にしてあります。
 《テクニック》を身に付けることは確かに上級者の証であるかもしれませんが、しかしそこで《ギミック》を手放す必要はどこにもありません。

 逆も真なりです。
 《ギミック》を極めたからといって、《テクニック》を切り捨てる必要はどこにもないのです。
 どちらか一方をないがしろにすることなく、各々の良い部分をきちんと理解してこそ、真の上達がありますし、偏りなく幅広い方々に愛される人気マジシャンになることができると言えるでしょう。

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