ヤドカリ放浪記2012〜大井宿編〜
11月4日
AM6:21
恵那峡
自然公園で目覚めた霧のかかった朝
朝の散歩がてら恵那峡を散策する
長野に比べたら暖かく過ごし易い気候だ♪
なんだかんだと一時間
散策を終え恵那峡を後にする
う〜ん何とも健康的な朝w
AM8:21
馬頭観音
次の宿場町の手前の寺坂にある観音像
上宿の八人の女講連中で建てたものらしい
その先には上宿石仏群が並ぶ
AM8:24
山本用水
水不足で困っていた1772年
5.4Km程離れた東野の山本から引いてきた用水
水がかなり綺麗♪
AM8:27
南無阿弥陀仏の碑
武蔵の国の新井長左衛門という方が建てた碑
伊勢参りの帰りに中山道へ出てこの近くの宿場町の旅館に泊まった時に母いろが病に倒れ帰らぬ人に…
その供養の為に建てられた碑である
AM8:32
大井宿高札場
幕府の権威を誇る様に石垣や土盛を築き時には矢来で囲む事もあった高札場
高札の書き換えは決まりの改正や老中の交替、年号が変わる度に行われていた
現在掲げられている高札には当時の文字で書かれているが説明板にちゃんと訳が書かれている
だいぶんはしょられているがw
また高札は当時の三分の一大きさに縮小されている
AM8:38
大井宿
中山道四十六番目の宿場町
整然とした六ヶ所の桝形のある独特な町並みをした宿場町
突き当たりにある一つ目の桝形から左に流れる
AM8:41
大井宿本陣跡
昭和二十二年に母屋が火災で焼失
幸いにも本陣門は焼け残り現在も当時の面影を偲ばせてくれている
安土桃山様式の屋根に反りを持たせた瓦葺きで破風板わ小屋組の細工、彫刻も丁寧に仕上げられた素晴らしい遺構だ
AM8:50
大井村庄屋古山家
菱屋の屋号で酒造と商売をして幕末まで庄屋を勤めていた旧家
明治初期に上屋から移築したもので前面の太い格子をはめ、はねあげ式の大戸が付き奥座敷には床の間·違い棚·書院·入側
廊下のある間が続く江戸時代の雰囲気を色濃く残す
現在は中山道ひし屋資料館となっている
AM8:59
戸長役場跡
宿役人林家の家
林家は本陣家から分家して以来明治に至るまで六十余年、代々大井宿役人の問屋役を務め名字に帯刀を許された家柄
そんな大形旅籠屋でもあった林家は宿場で最も重要な役人であったとか…
AM9:05
大井宿下問屋跡
大井宿問屋場は本町上の上問屋とここ下問屋の二か所にあった
問屋場は人や荷物の継立事務を行うところで宿役人や下役人が月を半分にして上問屋と下問屋に交代して勤務
宿役人は大井宿が幕府の命により毎日用意している人足五〇名と馬五〇頭を使い、これでも不足する時は助郷村の人馬を集めて、隣宿の中津川宿や大湫宿まで主として公用荷客の輸送にあたっていた
此処は脇本陣も務めていた高木家跡でもある
AM9:06
岩井邸
明治天皇行在所
現在でも明治天皇が泊まった部屋・浸かった風呂場・用を足した雪隠が当時のままに残っている
現在は岩井家所有で宿場町観光無料休憩ポイントとなっている
また部屋·風呂·雪隠等も無料で見学出来る
更に裏庭まで見せて頂く
裏庭にはもはや遺跡である蔵が建つ
何とも素晴らしいスポット
これで無料とか…
他の施設も見習って頂きたいものだw
最後にお茶にコーヒーにもぎたてトマトをご馳走になる
マッタリと出来る楽しい空間でした
スタッフの方も気さくな方ばかりでホンマありがとうございました(*´ω`*)
AM9:46
旅館いち川
三つ目の桝形に建つ旅館
旅籠角屋を継いだ四百年の歴史を持つ旅館だ
江戸時代の代表的な旅籠屋を大井宿中唯一続けている
AM9:48
大井村庄屋古屋家
商業を営み、庄屋を勤めていた家柄・古屋家の住宅
母屋や塀は柱·梁·たる木も土壁で塗り北側の屋根に卯建
かなりの屋敷である
庭から生え覗かせている松も見事
AM9:53
市神神社
四つ目の桝形にある神社
御祭神に市杵島姫命・大己貴命・事代主命・水分神・稲荷大明神の五柱を併せ祀っている
AM9:58
白木番所跡
小路の奥に尾張藩の番所があった
そこは尾張藩役人が常駐していた番所
役目は木曽の材木流しや材木製品の監視·領内の山林見回・材木伐採申請検分等を行っていた
木曽の材木は木曽川を流し、錦織で筏に組み名古屋·桑名方面へ下しており店その取締りも行われていたとの事
AM10:04
日吉屋
煙草屋
軒下には恵那峡弘法大師八十八所霊場の一つの石仏が祀られている
また福崎日精が作ったライオン像も飾られている
これは大井ダムの犠牲者の供養の為に白衣観音を作ったついでに製作されたものらしい
AM10:10
大井橋
阿木川に架かる橋
昔は川の中央に石で小島を造り、橋を二つかけてい木橋
現在は橋の欄干には歌川廣重の中山道六十九次の浮世絵がすべて飾られている
AM10:15
中山道廣重美術館
この施設の前に来た時、身震いした
だって特別企画・今昔東海道 山下清と歌川廣重東海道五十三次が観れるんだもん♡
山下清最後の大作にして遺作となった東海道五十三次
山下清ファンの俺がまだ一度も観ていない幻の作品だ
もう嬉しくて身震いと興奮ですわ♪
そんな山下清の東海道五十三次は製作途中に高血圧による眼底出血になり四十二枚製作したところで中断
そしてその二年後に死去…
誰もが未完の作品と思われたが死後アトリエから残りの十三枚が発見され山下清最後の大作が完成された
しかし素描画で終わっている
本来なら貼絵にして本当の完成品だったのだが残念である
謂わば未完の完成品
山下清の東海道五十三次は全五十五枚
生前の清が残した作品のコメントも一緒に鑑賞する
皇居前広場·品川の海·川崎大師·横浜中央通り·第三京浜道路·わらぶき屋根·遊行寺·こま山·松並木·春のお城·箱根旧道·三島大社·黄瀬川の下流·白隠禅師の墓·富士·山のちかい町・がけくずれ・清見寺·羽衣の松·ゆったりとした町·柴屋寺·峠の景色·人の住む町·大井川·牧の原·小夜の中山·小さな城·花の可睡·天龍川·砂丘の風·弁天島·関所あと·汐見坂·さまざまな岩·豊橋の城·いなり様の大将·泊まりたくなる町·町はずれ·矢作橋·八橋·古い家ばっかり·熱海神宮·舟でくる町·石油工場·冬の寺と四十五枚目まで観る
中でも鳴海宿を書いた古い家ばっかりは廣重の名産有松しぼり店と観点が似ているのに驚いた
構図がソックリ!!
途中、山下清の放浪日記の原物展示で直筆の日記を読む
山下清の文章には句読点がない
その訳は『人と話をする時は点やマルとは言わないんだな、カッコとも言わないんだな』との事
その隣には山下清東海道五十三次を纏めた本と清絶筆となったしおりとサインが展示
しおりにサインを書き終えた夜に脳出血で倒れ二日後の昭和四十六年七月十二日永眠した
次の展示四十六枚目からふつうの景色·城あと公園·本陣の門·筆捨山·田村神社·大岡寺·さびしい町·姥ヶ餅屋·瀬田の唐橋·三条大橋と十枚…
全五十五枚の山下清の東海道五十三次を一時間半掛けてジックリ鑑賞した
なので後から来た人がドンドン追い抜いて行く(^ω^;
せっかくの大作なんだからもっとジックリ鑑賞すればいいのに…
城址公園のコメントに『お寺はさびしくてもなにかが住んでいるよう…』と書かれていてビックリ!!
感性強いんだと感動する
トイレに行ってもう一度一枚目から鑑賞する♪
今度は廣重の作品もちゃんと観ながら鑑賞するw
吉原宿を題材にした富士は廣重の不二の沼浮か原と共に富士山を画しているので作品の見比べが楽しい
俺的には寺や神社、城等を描いた山下作品が好きだ♪
古き町並みや家屋など建物が描いた山下作品も好きだ♡
山下清の東海道五十三次の作品すべて大好きだ
作品集買おうかな
しかしホンマ観ていて飽きないわぁ〜
PM0:13
第二展示室
山下清のコメント付きポートレート展示
清、日本の旅軌跡·略年譜を観てから五十三次以外の貼絵作品等を観る
山下清十五歳からの作品を観る
大工さん·風呂場·桃畑·桜·蜂1·かたつむり·はまごう·秋田油田·石庭·平和観音·徳島の街·花の絵の下書き·江東楽天地·玉造の温泉プール·夙川風景·寺·秋田にて·南京街·徳島駅前·ストックホルムの市役所の庭·ロンドン塔付近·スイスの町·パリのモンマルトルと全二十三作品
貼絵にペン画、水彩画と十五歳から三十九歳までの作品を鑑賞
清十七歳の頃の貼絵作品·桜は緻密で当時の一流画家が絶賛するのも分かる
ストックホルムの庭は立体的に見えるのは俺だけだろうか?
最後に陶器に描かれた作品、カーネーション·かたつむりととんぼと弘法麦を観て終わり
やっぱりナンボ観てても飽きんわぁ〜(*´Д`)
PM0:45
浮世絵ナビルーム
渓斎英泉と歌川廣重の合作·木曽街道六拾九次之内の全七十一図の一部の展示
双六遊びやパズル遊び、版画摺体験が出来るコーナー
一番奥には浮世絵について纏めたビデオコーナーがある
此処はちょちょいと見学
PM0:50
木曽街道浮世絵の旅
中山道廣重美術館オリジナル映像による作品紹介ビデオを観る
上映時間十三分の木曽街道の旅を楽しむ
ナビルームのビデオでは無い
PM1:04
一階ビデオコーナー
山下清記録映画·はだかの天才画家を鑑賞
約三十分の短編映画を鑑賞する
PM1:30
第一展示室
この時間からガイドさんによる山下清の東海道五十三次解説ツアーが始まったのでもう一度作品を観てみる♪
PM1:48
第二展示室
ガイドは引き続き二階で解説ツアー
そして三十分と言う短い案内は終わった…
もっと時間を掛けてユックリ説明して欲しかった
PM2:00
一階ビデオコーナー
映画の途中でガイドツアーに参加したので続きを観に戻る
流れていたのはちょうど中断した辺りだったのでよかった♪
PM2:17
ミュージアムショップ
山下清グッズを物色
今回の展示作品·山下清の東海道五十三を購入する
温泉関連雑誌以外で新刊を買うなんて(ノω`*)
PM2:21
第一展示室
最後にもう一度鑑賞する
計三度目の入室
計五巡目の鑑賞w
ずっと観たかった東海道五十三次だもん
山下清えぇ〜わぁ〜♪
そんなこんなタップリ五時間居座った美術館でのひと時(*´ω`*)
PM3:52
道の駅そばの郷らっせぃみさと
そば打ち体験の出来る道の駅
スタンプ捺して、物色して…
ヤドカリで晩酌始める
そう今宵の寝床なり道の駅
少し早いが山下清で満足したから先に進みたくない
先に進んでも寝床が無さそう
だから早めに切り上げる
購入した山下清の東海道五十三次を読みながら晩酌
今宵の酒は、まっこと旨いぜよ♪
そんなこんな大井宿での一日
そんなこんな山下清三昧な一日
でも中山道美術館なのに何故に東海道五十三次?