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出版原稿#22 目にいい光は何色?
本投稿は拙著「最新の視力研究で導き出した 何歳からでも目がよくなる方法」(アスコム)に掲載できなかった部分を公開しております。
今回は何色の光が目に良いのか?という部分です。以下原稿です。
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光のスペクトルの目への効果
近年、近視治療に向けて革新的な事業を行う会社も出てきました。株式会社坪田ラボ(東証グロース上場企業)は、バイオレットライト(波長360-400nm)に着目しています。
近視を抑制する点眼やバイオレットライトを含む電子機器、バイオレットライト透過眼鏡、バイオレットライト透過建築ガラスなどを開発しています。製品が学校などで取り入れられれば、学童近視の問題も解消に向かうかもしれません。
また、近年はレッドライト(赤い光。波長は650nm)に眼軸伸長を抑制する効果があるということもわかってきました。赤色光は室内光や屋外光にも含まれるため、もともと安全であることがわかっているうえに、良好な臨床データが集まってきて世界的にも注目を集めている近視進行抑制治療となります。
メカニズムとしては眼球内の細胞にあるミトコンドリアから一酸化窒素が放出され、脈絡膜の血流が増加して強膜の低酸素状態が改善されるということが、2022年に中山眼科センターのYuらによって報告されました。
レッドライト治療器も登場し、現在は自由診療ですが、先進的な眼科医院では取り入れられてきています。
さて、本書ではたくさんの色の光が登場してきました。結局のところ、どの波長が目に良いのでしょうか?
光はその波長によって色が違います。目や皮膚に悪いとされる紫外線は360nmより短い波長の光ですが、これもビタミンDの生成に重要な役割があり、まったく浴びないというのも健康に良くありません。
ほかに、体内時計を整えるために大切なブルーライトは450nmを中心とした波長です。夜中に長時間ディスプレイ作業をすると、睡眠に支障が出ることがわかっていますが、日中は太陽光に含まれるブルーライトを浴びることで体内時計が整うのです。
本書に登場しなかったのは青、赤、緑の、光の三原色のうち緑ですが、これは波長550nmを中心とした光です。でも、昔から「緑を見ると目が良くなる」といわれてきました。緑とは草木や自然の色であり、リラックス効果と心身の健康へのがあるでしょう。
つまり、どの波長の光も人間にとって大切であり、どれが欠乏しても過剰でも、心身に問題が起きます。どの色の光が良いとか悪いとかは、条件によって異なるのです。
以下光の波長ごとの効果をまとめました。
紫外線(波長360nm以下);ビタミンDの生成に重要な役割がある
バイオレットライト(波長360-400nm);子供の近視抑制に効果あり
ブルーライト(中心波長450nm);体内時計を整える。
グリーンライト(中心波長550nm);自然の中の緑は目に優しく、リラックスする。
レッドライト(中心波長650nm);脈絡膜の血流増加により、近視抑制効果がある。
赤外線(波長760nm以上);体が温まる効果。
結局、太陽から降り注ぐすべての波長が効果があるんですね!どれが欠乏しても、どれが過剰でも、心身に問題が起きるのです。
人類は数百万年間、サバンナで直射日光にさらされながら狩りをして暮らしてきました。太陽の光に適応した体を持っているはずです。屋外活動の減った現代人には、「もっと外に出て太陽光を浴びよう、これまでずっとそうしてきたんだから」、というメッセージなのではないでしょうか。
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いかがでしょうか?結局すべての光が大切だということがわかります。
実は、すべての波長の光が人間成長にとって大切だ、というのは、ずいぶん昔にわかっているのです。一例として、以下の本には非常に良くまとまっていますので、ご興味の方はご参考に下さい。
現代科学は一つ一つの要素ごとに効果を分類しなければ、なかなかエビデンスとして認められない、という欠点があります。
本書は統合医学に分類されるため、現代の医学では本流ではありません。科学的な観点からは、人体は複雑すぎて効果が立証できないのです。
私の著作ではなるべく文献に戻づいて全年齢、各症状別に対策を記載したのですが、紙面の都合でまだまだ不十分です。今後もnoteで投稿していきますので、ぜひフォローお願いします!書籍もぜひごらんください。