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週末に考える子育て戦略のアイデア(8)

プライドは、最初から芽生えない

子供には、自尊心やプライドを持って、自分から物事に挑戦して欲しい。親ならだれもがそう願うのではないでしょうか。逆に、テストで悪い点数を取れば「あなたはくやしくないの!?」と、親は子供を叱責してしまう。

でも、一歩さがって考えてみると、子供が最初から何かにプライドを持っていることはないと強く思う。「あなたはできる」、と自己肯定感を常に高める接し方をされてきた子供以外は。

そのような「自己肯定感を高める接し方」をされた素晴らしいご家庭の子供でも、現実の壁にぶち当たると、冷たい現実を知る。なにごとも、努力なしには達成できないこと。さらに、他の子どもの努力も軽視できないことを。

ここで、「あなやは悔しくないの!!」という親の叱責が止まないと、子供は目の前の壁(現実)と、うしろの親の叱責という後方の壁の板挟みになる。やがてどうにもならなくなり、現実から逃げるようになる。

そんなとき、親の最初の反応は「なんでこの子には、プライドがないのか?」という嘆きかもしれません。

でも、私たち大人を振り返っても「最初から何かにプライドがある」なんて、とても現実的ではないのがわかります。いま、何らかの仕事やなんらかの分野、人間関係に自信を持つ人でも、最初はそうではなかった。

私たち大人のプライドや自尊心は、小さな成功体験の積み重ねから生まれている。おそらく、これは子供でもまったく同じ。

だから、何かに失敗して「あなたは悔しくないの!」「なんでプライドを持たないの!」と親が叱責する前に、子供に小さく小さく、でも大切な成功体験をさせてあげることが大切だと思う。

ほんの小さな成功体験でも、子供の心の中に、プライドや自尊心の芽を生み出してくれる。とても小さくても、それは自分を心を守る盾、大切な自尊心になる。小さな成功体験を積み上げると、やがて壁の前での勇気になる。

以前ご紹介した書籍『天才を作る親たちのルール』(文藝春秋)でも、子供を叱るのは大勝利をしたときのみ、大勝利で慢心したときだけ、としている親が多かった。子供の自尊心を育てるのが上手な人たちなんだと思う。

子供は、親がちやほやできる年齢を超えると、家の外で現実に触れていく。やがて現実は、冷たいところも暖かいところもあるのだと知る。現実を知り、他の子どもとの比較をすることが、子供の道を決めていく材料になる。

どんな子供も、自分は光りたいと思っている。現実のどこかに居場所を見つけて、自分だけの輝きを強く放ちたいと思っている。誰かに愛されたいと渇望する。その最初の相手は、間違いなく親だ。

子供に「自分はこれができる!」と思わせるには、小さくても成功体験が必要。一度テストで100点満点を取ると、次のテストのために勉強する姿勢が(ほんの少し笑)芽生える。その繰り返しが、自走する精神性を醸成する。

小さな成功体験をさせることだって、十分難しい!というご意見もあると思う。でも、スポーツの大会でも「ここまで努力できたことがすごい」「本番で頑張れたことが凄かった!」という言葉は、十分に彼らを励ます。

親が子供の成功をどこに発見できるか、というゲームだと思えばいい。失敗に動じないことだって、立派な一つの才能なのだから。

少し上手くなれば、少しプライドができれば、「自分に対する期待を高める」ことに移行させよう。そうすれば、階段を登るのが楽しくなる。

子供の好奇心や、輝きたいという生きる力は、親が間違って押しとどめなければ、ものすごい力なのだ。それを委縮させず、背中を押してあげたいですね。その繰り返しが、天才を生み出した家庭の秘密なのだと思う。
 

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