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NotionAIで黒板写真を分析して 授業記録を最適化してみた話
1. はじめに
こんにちは。
以前、「Notionを使った授業記録のデータベース化 タグをつけて板書写真をストック・共有することで先生同士の学び合いが加速する話」というタイトルで、Notionを活用した授業記録の方法についてお話しさせていただきました。
大変反響の大きかった記事でもあります。
その記事では、板書写真を中心とした授業記録をNotionのデータベースに保存し、同僚と共有する取り組みをご紹介しました。
前回の実践では、以下のような取り組みを行いました:
Notionにシンプルなデータベースを作成
授業日、教科、板書写真、メモ、単元名などの基本情報を記録
Notion Easy Formを使用して、スマートフォンやタブレットからの簡単な入力を実現
同じ学年の教師と記録を共有し、相互の授業改善に活用
この方法により、授業記録の蓄積と共有が容易になり、教材研究や授業改善に大きな効果をもたらしました。
今回は、前回の実践をさらに一歩進め、NotionAIを活用した新たな授業記録システムについてお話しします。
AIの導入により、単なる記録の蓄積から、授業の分析や自動的な振り返りの生成まで可能になりました。まだ荒い提案実践になりますが、参考になればと思います。
2. NotionAIを活用した授業記録システムの進化
前回の実践では、Notionのデータベース機能を活用して授業記録をデジタル化しました。今回は、そのシステムにNotionAIを組み込むことで、さらに高度な分析と洞察を得られるようになりました。
といっても、今回行ったのはそんなに難しい事はしていません。前回の実践で作ったデータベースに1つプロパティーを追加しただけになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1721523735270-CMJZhyXM3w.png?width=1200)
2.1「AIによる授業説明」プロパティの追加
AIによる自動入力を「カスタム自動入力」にします。さらに「 ページ編集時に自動更新」のチェックをオンにしてしておきます。「 何を生成しますか?」という プロンプトの部分に以下のプロンプトを入れています。
プロンプトの設定:
「板書」の画像とプロパティ情報メモ欄を分析し、次の点について極めて簡潔に記述してください:
1. 授業概要:
2. 授業構造:
- めあて、主な内容、まとめ
3. 教師の視点:
- 重視したポイント、工夫
4. 教育的アプローチ:
- 使用された方法、生徒参加の促し方
6. メモ欄の情報:
- 追加情報、黒板との関連性
- 教師の振り返り(ある場合)
7. 次回への反省点:
- メモ欄に記載された教師の振り返りに基づく改善点
-各項目を1-2文で記述し、全体で200字以内にまとめてください。
-不明確な情報は記載しない。個人情報には言及しないでください。
-黒板とメモ欄の情報を統合し、簡潔かつ包括的な授業概要と反省点を提供してください。
-情報不明なときはがない場合には記載しないで省略する。
-項目名は省略する
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2.2 AIによる黒板写真分析の仕組みと設定方法
NotionAIを活用した黒板写真の分析は以下のように機能します:
分析の実行:
新しい授業記録が追加されると、AIが自動的に黒板写真とメモを分析し、指定された形式で結果をまとめます。結果の格納:
分析結果は「AIによる授業説明」プロパティに自動的に保存されます。結果の確認と編集:
教師はAIの分析結果を確認し、必要に応じてメモ欄に編集や補足を加えることができます。さらに「更新」ボタンをクリックするとAIによる再分析・授業要約が始まります。
![](https://assets.st-note.com/img/1721524203377-xnBuU1hj8f.png?width=1200)
このカスタマイズされたプロンプトにより、AIは授業の本質的な部分に焦点を当て、簡潔かつ有用な分析を提供します。個人情報の保護にも配慮しつつ、授業の全体像を把握しやすい形式で情報を整理してくれます。
この新しいシステムにより、単なる記録の蓄積から、AIによる深い洞察を得られるようになりました。例えば、黒板写真から授業の構造や意図を読み取り、改善点を示唆するなど、教師の省察をサポートします。
3. 授業記録の最適化プロセス:AI導入による変化
NotionAIの導入により、授業記録のプロセスがどのように変化し、最適化されたかを詳しく見ていきましょう。
3.1 黒板写真の撮影と登録方法(従来の方法との比較)
従来の方法:
授業終了後、黒板の写真を撮影
Notion Easy Formを使用してデータベースに写真をアップロード
基本情報(日付、教科、単元名など)を手動で入力
AI導入後の方法:
授業終了後、黒板の写真を撮影(変更なし)
Notion Easy Formを使用してデータベースに写真をアップロード(変更なし)
基本情報を手動で入力(変更なし)
AIによる授業説明プロパティ「更新」ボタンをクリックしてAI分析を実行(新規)
変化のポイント:
従来の方法に「AI分析」という一手順が加わっただけで、教師の作業負担はほとんど増えていません。しかし、この小さな変更が大きな価値を生み出します。
3.2 AIによる分析項目の詳細と従来の手動入力との違い
変化のポイント
AIによる分析は、教師の主観的な振り返りを客観的な視点で補完します。また、時間的制約のある中でも、包括的な授業分析が可能になりました。
3.3 分析結果の活用方法:教師の省察を支援
AI分析結果の活用: notionの良いところが来ていろいろなビューで確認できるところです。私のお勧めはギャラリービューで板書の写真のサイズは大きいサイズそしてNotionAIで分析した授業説明をつけておく。これが結構いいかなぁと思います。
こんなメリットとして以下の点が あります。
即時フィードバックによるふりかえり
授業直後にAI分析を確認し、自身の授業を客観的に振り返ることができる。 忙しいといっても、ひとまずタブレットやスマホに写真を撮っておけば、放課後の時間でもまた時間にでも入力することができます。慣れてきた私は授業と授業の合間に簡単なメモを音声入力で行い、すぐにNotion へフォームから送っておきます。
それこそ給食が食べ終わった後のちょっと空いた時間で、もう一度板書見ながら振り返りを行ったりすることもあります。授業した後の警察の時間がいかに取れるかで、自身の授業力向上の要因にもなるのかなと思います。同僚との共有と議論:
AI分析結果を基に、同学年の教師と授業について深い議論を行うことができます。これは日常の授業研究として特に有効な手立てになり得ます。
特に同じ教科を 担当している教科、例えば総合的な学習の時間など、教科書のない教科の黒板の写真というのは、ほんとに有益な先行実践の情報になると思います。
1組の先生が行った板書参考に2組の先生が追試実践を行うと言うことも 大いに現場レベルではあると思います。
放課後このNotionを見ながら「この授業どんなことやったんですか」とか「ここうまくいったんですか」とか「この話し合いだめだったね」みたいな授業後の検討会が勝手に始まるのです。 1学期やってみてこのNotion授業記録を見ながら 盛り上がる学年会が何度となく行われました。長期的な成長の記録
AI分析の蓄積により、自身の教授スタイルの変化や成長を可視化。 これもやってみて感じたことですが、私自身、そんなに板書構造的に書くことが少ないので、相方の先生の黒板の写真を見ると、やはり学ぶべきものが多いなと感じます。校内研究への活用
AI分析結果を用いて、より客観的かつ多角的な授業研究を実施できるのでは? 他の実践では、学年の先生2人だけの共有になっているが、これを校内全体、例えば20人レベルでこの授業記録を蓄積していくと相当なデータが取れるのではないかなと思います。例えば、道徳を校内研修で設定している学校であれば、道徳の伴奏だけを共有するだけでも 研修としては価値が高いのかなと感じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721524686968-qfXJRXfRs7.png?width=1200)
変化のポイント
AIによる分析が、教師の省察を深め、同僚との協働を促進し、さらには学校全体の授業力向上にも寄与する可能性を秘めています。
このようにAI導入により、授業記録の最適化が進み、より効果的な授業改善のサイクルが生まれつつあります。しかし、この新しいシステムにも課題はあります。次のセクションでは、実際に使用してみての効果と課題について詳しく見ていきましょう。
4. 実践による効果と課題
NotionAIを活用した新しい授業記録システムを実際に使用してみて、様々な効果と課題が見えてきました。ここでは、具体的な影響や改善点について詳しく見ていきます。
4.1 授業改善への具体的な影響:AI分析がもたらす新たな視点
客観的な授業分析:
AIによる分析は、教師の主観に左右されない客観的な視点を提供しました。例えば、「授業者が大切にしていた視点」という項目では、教師自身が意識していなかった授業の特徴を指摘されることがありました。授業構造の可視化:
AIは黒板写真から授業の流れや構造を読み取り、簡潔に要約します。これにより、授業の全体像を俯瞰的に捉えやすくなりました。新たな改善点の発見:
「次回に活かせる点」の提案は、時に教師が気づかなかった改善の余地を示唆し、授業改善のきっかけとなりました。
4.2 教師の業務効率化:従来の方法とAI活用後の比較
振り返り時間の短縮:
従来は詳細な振り返りに30分以上かかることもありましたが、AI分析により5-10分程度で包括的な振り返りが可能になりました。共有と議論の活性化:
AI分析結果を基に、同学年の教師との授業についての議論がより深く、効率的に行えるようになりました。データの整理と検索の容易さ:
AI分析結果がテキストデータとして保存されるため、特定のキーワードや概念に基づいて過去の授業を簡単に検索できるようになりました。
4.3 現段階での課題と改善点:AI精度向上に向けた取り組み
時折、AIが黒板の内容を誤って解釈することがあります。特に手書きの文字や図表の認識精度に課題があります。
何度か確認したところ、やはり画像だけでの情報を読み取るときの認識の振れ幅はかなり大きくなるような感じです。 メモプロパティーにできるだけ人間の言葉で思ったことや感じたこと。うまくいったところで、うまくいかなかったところを入れておくと、それを整理してくれるのでいいと思います。
まだまだすぐにやってみましょうと言うレベルではなく、こういう使い方もあるんだな的な部分で引き取っていただければ幸いです。