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絵本作家を目指していたころに、どんなことを思っていたのか思い出してみました。
こんにちは。
絵本を描き始めたきっかけは、
妻が息子に毎日絵本を読み聞かせしているのを見て、
子どもの頃に、絵を描く事が好きだった僕は、
子どものために、絵本を作ってみようと思ったというものでした。
1つ目の作品が出来て、
今度は、コンテストがあるという事を知り、
出してみたのですが、全然ダメでした。
それでも、絵本を作っていたのは、
家族の存在もありますが、
自分の中を思い返せば、何かを作る、想像する、分解する、
そして、組み立てるという事が好きだったのだろうと思います。
その後、またコンテストに出しましたが、
やはり、1次選考で返ってきました。
それが悔しくて、、。
自分が良いと思って作った物が、
全く認めてもらえないのが、
悔しかった。
そんな気持ちがありました。
当時も、会社員をしていましたが、
仕事も忙しくなり、帰宅時間も遅くなったり、
休みも無かったり、
家族が寝てしまってから帰るような日々でした。
そんな中、
このまま人生が過ぎていくのは、
本当にそれで良いのか、
自問自答の日々でした。
以前お話ししたように、
レーサーに成りたかった夢を諦めてから
それを補う何かを探していました。
そんな中、絵本を作っていて
ほんのりと、絵本作家というお仕事があると認識していたころに、
メリーゴーランドという
絵本の塾を知ったのです。
そこで、これしかないかもと思い。
何年かかけてオーディションに合格して、
入塾しました。
入塾出来るまでの間、絵本の事を諦めそうになったこともありましたが、
あるとき、出会った絵本で、作風がガラッと変わりました。
それが、
かがくいひろしさんの
「みみかきめいじん」です。
本屋さんで、たまたま手に取り、
物語のあまりにもの自由さに衝撃を受けました。
その影響から、面白おかしい自由な発想へと転換して、
その作品で、オーディションに合格したのです。
あのタイミングで、
「みみかきめいじん」と出会っていなければ、
もしかしたら、諦めてしまっていたかもしれません。
今も、ぼろぼろになりながら、
僕の絵本棚に刺さっています。
絵本塾には、お金が掛かるので
1年で結果を出すと決めて、通う事にしました。
先ほど書いたように、
仕事も忙しく、どんどん責任のある仕事へと移行していく時期でもあり、
毎日、結果を求められる中でも、
仕事の車の中で、思いついたことを、
メモ書きして、
溜めていきました。
そんな中、絵本の塾に行く日が迫ると、
新作、新作。。。と、
今思うと、鬼気迫る思いで寝る間も惜しみ
制作していました。
今でも、その頃のアイデアを活用しているくらいです。
そして、そんな作品を酷評されながらも
ぐっとくらいついて、
このまま終わるわけには、いかないと言い聞かせて、
塾に行けば、周りはライバルだと意識していたので
仲良しこよしになって、埋もれてしまうのを恐れていました。
そうして、家族との約束の1年が過ぎ、
何も結果が出ていなかった僕でしたが、
どうしても諦めがつかず、
もう1年通う事にしました。
そんな2年目の始まりに、
降ってきたのが、
デビュー作の「いっぺんやってみたかってん」のアイデアでした。
ただ、その作品も、
絵本の塾では、ラフを酷評されてしまっていたのです。
それでも、これは面白い!と思っていたので、
講評をもとに、自分で直して、
講談社の新人賞に応募したのです。
たしか消印当日の提出でした。
講談社の新人賞を受賞して、すぐ
このまま絵本作家になる!と、
仕事を辞めて、作家活動のみを1年間やってみました。
絵本の塾2年目をそのまま通ってもいたので、
その時も、毎日胃がキリキリしながらの
日々でした。
今でも、新作のプレッシャーはありますが、
あの当時の鬼気迫る感覚を、
もう一度取り戻したいという気持ちもあります。
(皆さんに、お勧めはしませんが)
現在は、会社員との兼業作家です。
(こちらはお勧めします)
もちろん、もっと違うアプローチもあるとは思いますが、
今回、なんでこんなお話をしたのかというと、
絵本作家を目指していらっしゃる方に、
たくさん見ていただいているので、
少しでも、リアルに参考になるようなお話が出来たらと思っているからです。
もちろん鬼気迫るようなことをしなさいよと言っているわけでもありません。
それぞれのタイミングで、起こることを上手く活用したり、
掴みとったりしていただけたらと思っています。
僕が、いつも気を付けていることは、
「何が違うのか」ということを意識しているという事です。
同じ人間なのに、
あることが、出来る人と、そうでない人がいて、
じゃあ、自分と何が違うのか、という事を見るようにしています。
それが見つけられたら、自分が進みたい方向に
一歩ずつ近づいていけるのではないかと思っています。
絵本作家って、面白くて、スリルもあります。
表には見えないプレッシャーもあったり、
たくさんの方にもお会いしたり、喜んでもらえたり、
認められたり、思い通りにいかなかったり。
そんな色んな感情も、作品作りに活かせる特殊なお仕事なので、
楽しいんじゃないかなと思います。
絵本作りましょう!
今日も、感情的なお話?にお付き合いいただき、
ありがとうございました。
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