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詩📓「ムシノユメ」

20240627

涼しい夜なのに 蚊に悩まされ なかなか寝付けなかった ようやく眠気がやって来て 目を閉じて 頭がふわりと 浮かび 空の上に旅立ち そこで 映像が広がった スクリーンに入り込み まるで 現実のようなそこは やけに楽しげで それが不気味に思えた 巨大なクリーニングをしている工場を 見学した そこには 大量の小蝿がおり それを売りにしていた 従業員は 小蝿がいることを 気にしていなかった そして そこは 海の近くにあったので 遊びに行くと ビーチには 山盛りになった 小蝿の卵があり 幼虫たちが 無数に這い回っていた 帰り道にも 小蝿が固まりで止まっていたり 頭の上にたかって それを手で払ったりした 家に着くと 家の前にも 大量の小蝿と 幼虫と卵が居た その辺で目が覚めたら 当然のことながら 気持ちの悪い目覚めで 身体が蠢き 中から小蝿が飛び出しそうだと 思いながら 朝が近付くにつれて 蒸し暑くなり 汗ばんだ肌をなぞり 馴染ませて誤魔化しながら うだうだと過ごし 出発の時間が近付くことが とても億劫に感じながら 何とか起き出して キッチンの方へと向かった 水道水を飲み 乾いた喉は多少喜んだが 小蝿たちの夢や そこに居た人々を思うと たまらなく やる気のない一日になりそうで 全てを捨てて もう一度眠り 休日を過ごせたらと思いながら 支度をして 時間になったので 家を出た

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