ホワイトアイスとブラックアイス

２０１７年夏　北極圏の思い出より〜

グリーンランド２つ目の街は
イルリサット。
グリーンランドで３番めに大きな街です。
人口は４０００人。
北緯６９度です。

イルリサットも、漁業の街。
港にはカラフルに彩られた船、
ずんぐりむっくりな船、
大きな船、プレジャーボートなど様々な船が
停泊していて、とても賑わっていました。

街から３キロほど海岸線を歩くと
丘の上から世界遺産に登録された
イルリサット氷河を観ることが出来ます。

まさに氷で出来た河。
大きな氷の山が地平線のかなたまで連なっています。
これが、一日３０ｍ海の方に流れて（動いて）いきます。
そして、海に出たところで氷河から分離して
氷山になります。

だから、氷河は、自然の超巨大製氷機なのです。

この氷河から分離した氷山は、
北大西洋に流れていきます。
巨大なものになると
何万トンのタンカーよりも大きなものもあります。

その昔、タイタニック号を
沈める原因となった氷山も
グリーンランドで生成されたものだと
言われています。

１９１２年４月１４日深夜、
イギリスからニューヨークへ向かう
処女航海のときでした。

この時、タイタニック号には
２２２４名の乗客が乗船していました。
氷山に衝突後、約３時間で水没してしまい
１５００名以上の乗客が亡くなってしまったのです。

この氷山、
上と下の部分では氷の質が違います。

ホワイトアイスと呼ばれる
氷山の上の方の氷は
空気を沢山含んでいて
真っ白です。

水に入れてみると
プチプチと音がして
すぐに溶け出します。

氷に閉じ込められた
太古の空気が
飛び出てきます。

一方のブラックアイスは、
氷河の下の方にある氷です。
上にある氷の重さにより
強く締められた氷です。

空気は入っていなくて透明で、
水に浮かべると
光が乱反射しなくて黒く見えます。
そのため、ブラックアイスと呼ばれています。

ブラックアイスは、水に入れても長時間、
解けずにそのまま形を保っています。
また、硬い氷なのでお酒をいれて
グラスを振ると良い音が
するのも特長です。

私たちは、母船に帰還後、
氷山を眺めながら
ホワイトアイスとブラックアイスを入れた
ウイスキーの飲み比べをしてみたのです。

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