足を引っ張り合う世界?
アチュアル族に会いに行きたくなったのは、
彼らが僕達の文明に
警告とも取れるメッセージを
発信していると聞いたからです。
そのメッセージは、
『あなたたちは、「もっともっと」という考えと
「足らないという」悪夢の中で暮らしている』
そんなメッセージです。
悪夢から目覚めなさいということでしょうか?
何千年もこちら側の文明に
コンタクトを取ってこなかった
南米アマゾンの奥地で暮らす種族が
20年前に、わざわざメッセージを
送ってくれたのです。
それは、聞きに行かないと!
って思いました。
僕が聞きたかったのは、
◯20年たった今
なにかメッセージの変化はあったのか?
◯そもそも、本当に
そんなことを言ったのか?
◯誰がそれを言ったのか?
ってことです。
このメッセージのことを知ったのは、
アメリカ人活動家
リン・ツイストさんの講演からです。
講演が終わってすぐ
僕は、彼女のもとに駆け寄って
是非、アチュアル族に会いたいと伝えました。
すると、彼女は、とても喜んでくれて
日本のアチュアル族を保護する
関連団体を紹介してくれたのです。
その彼らと、1年半後
アチュアル族の村に
行くことが出来ました。
エクアドルとペルーの国境地帯に
広がるジャングルの最深部です。
まだ、日本人が入ったことがないところで、
僕達のチームが最初の日本人でした。
行ってみて分かりました。
『あなたたちは、「もっともっと」という考えと
「足らないという」悪夢の中で暮らしている』
このメッセージは
警告というよりも
僕達の文明に対する感想だったのです。
ジャングルの中で、所有という概念もなく
コミュニティ全体が助け合って暮らしている
そんな彼らが、街に出て、
僕達の生活を観たら、当然、そう思うのです。
街では、待っていても
誰も食べ物をくれませんし
誰も助けてくれません。
僕達の文明は、みんな「もっともっと」
なにかが欲しいと思っています。
そのうえ、なにかが足らなくなったらどうしょうと
心配しながら暮らしているのです。
アチュアル族からみて
私達は足を引っ張り合って
生きているようにしか見えません。
彼らにしてみたら、まるで悪夢です。
「悪い夢にうなされて。
気の毒に・・・」
と思ってくれたのかもしれません。
僕が知りたかった3つのことは
意味がなくなりました。
本当にそう言ったのか?
→ そうとしか見えません。
20年経ったり変わったのか?
→ 20年たっても変わりません。
→ 変わらないのは僕達のありかたです。
誰が言ったのか?
→アチュアル族の環境で暮らしていたら、
誰もがそう思うでしょうから
誰が?という質問も意味がありません。
僕達の文明は、ほとんどのことが
お金が介在して成り立っています。
その結果、
「もっともっと」と「足らない」
って生き方になってしまいました。
僕達が本当に次のステップを踏むためには、
お金というものも進化が必要です。
そして、その胎動は始まっています。
〜つづく
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