大御所写真家にサインの練習をさせた比呂池!
2024年9月26日
写真家 細江英公先生がお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りいたします。
今から10年前の、
2014年9月13日、比呂池が通っていた写真学校で細江先生の特別講義がありました。
特別講義の数日前に、授業で細江先生の写真について学び、
「鎌鼬(かまいたち)」を見て、比呂池は衝撃を受けました。
30歳代の細江先生と舞踏家 土方巽氏が、若さと勢い、かなりヤバく、今では撮影できないような作品がおさめられています。
写真学校の図書館に写真集はありましたが、所有したいと思いネットで中古写真集を探し、なかなかのお値段でしたが購入しました。
特別講義当日、サインをいただくため購入した写真集をバックに忍ばせ、比呂池は参加しました。
講義の中ではサインをいただくタイミングはなく、終了するとクラスメイト達が細江先生の周りに集まり、10分間の休み時間はツーショット撮影大会が続きました。
次の授業開始のチャイムが鳴り、クラスメイト達はいなくなりましたが、細江先生は関係者と話しながらエレベータに乗り1階へ向かわれました。
比呂池は、「細江先生のサイン」と「次の授業」との二者択一を迫られましたが、エレベーターを先回りすべく比呂池の足は1階への階段へ向かっていました。
1階に到着し細江先生を探すと、お一人でソファーに座ってみえました。
チャンスです。
比呂池は、特別講義のお礼をし、写真集にサインをお願いして、サインペンを渡しました。
細江先生は、当時すでに80歳を超えておられ、(たいへん失礼ですが)サインペンを持つ指先が多少おぼつかない様子がうかがえました。
なかなかのお値段がした写真集のサインが、書き損じてはたいへんです。
比呂池は細江先生に「ペンは太書きと細書きがあります。試し書きして書きやすい方でサインをお願いしま~す。」と言って、バックからコピー用紙を出しました。
細江先生は太書きを選ばれ、コピー用紙に試し書き(練習?)をされ、その後、無事写真集にサインをいただきました。
サインを書かれ細江先生は「よくこの写真集が手に入ったね~」とおっしゃいました。
念願のサインをいただいた比呂池は、次の授業が気になり、お礼を申し上げ辞去しました。
今思うと次の授業は欠席しても、特別講義では話せなかったことをもっとお聞きすればよかったと、10年経った今でも後悔しています。
細江先生のご冥福をお祈りいたします。