151.チュニジアのユダヤ人ー共生と葛藤
(右はダビデの紋章。アンダルシアから逃れたユダヤ系移民によるもので、モスクに刻まれるのは世界的にも珍しい)
先日紹介したテストゥールには、アンダルシアから逃れたユダヤ系移民のコミュニティがあります。
モスクに刻まれたダビデの星は、共生の象徴でもあり、地元民の誇りとなっているようです。
しかし、パレスチナ紛争のこともあり、今のユダヤ系住民はどんな状況にあるのか気になったので調べてみました。
チュニジア在住ユダヤ人の今
チュニジア在住のユダヤ人は、古くは紀元前から定住していました。
イスラエル建国や中東戦争に伴って多くが移住し、今は大半がジェルバ島に住んでいます。その数は1,500人程と言われます。
しかし、23年10月7日以降のパレスチナ紛争悪化により、今年は祝祭を自粛し、外出を控えるなど当事者は肩身が狭い思いをしているようです。
23年5月には、ジェルバ島のシナゴーグで6名が死亡する銃乱射事件が起きていますが、ユダヤ人を狙ったものかは不明です。
それ以降、大きな事件は起きていません。
https://www.reuters.com/article/opinion/6-idUSKBN2X200Q/
多くの良識ある方は「憎いのはイスラエル(政府)であって、ユダヤ人ではない。彼らはチュニジア人」と、政治と分けて考えています。
ただ、歴史を見ると、それでうまくいかなかった例も多くあります。日本関連では、第二次世界大戦中の日系人強制収容が思い起こされます。
パレスチナ問題などがある限り、この潜在的な緊張状態はなくならないのでしょうが、彼らが融和と共生を保って暮らしていけることを願っています。
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