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179.抜け出せない薬物と地方の壁
(冬ならではの分厚い雲)
顔見知りの中に、最近になって性格が根本的に変わったように見える青年がいました。
何があったのだろうかと思っていたのですが、彼からの一言でその先を理解しました。
「コ●インをやらないか?」
(※書くまでもないですが、断りました)
彼は、14‐15歳ごろから煙草と薬物に手を染め、家族や周囲の協力で離脱ケアをしていると聞いていました。
彼の言葉で、難しい現実を目の当たりにした訳ですが、こうした例は残念ながら珍しくありません。
最近でも、高校の近くで麻薬の売人が逮捕された記事が出ています。しかし、高校の敷地内で売買されていることも珍しくないようです。
全体の状況については、この記事を日本語に訳して読むと実態が分かると思います。
高校生男女の約1割が薬物に手を出している、出したことがあると言うのは恐ろしい事実です。
加えて、支援の少なさも課題となっています。
薬物はチュニジア全国に蔓延していると言って良い状況ですが、薬物更生施設はチュニス、スファックスなどの限られた大都市にしかありません。
そのため、そこまで通えない地方在住者はそのままハマるか、離脱に苦しむ事になります。
薬物に手を出し、脳の機能が破壊されてしまったであろう人は、町中でも目にします。
チュニジアの地方が抱える深い問題が、彼の言葉に凝縮されている気がしました。