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185.任国振替を選択した時のこと
(チュニジアは既に春の景色)
昨年10月の大統領選に端を発した政情不安に伴い、モザンビークの派遣が延期・隊員一時帰国となっていることを知りました。
任期途中での帰国も無念ですが、特に私は同じ境遇だったので、同期隊員が次々に出発する中、先が見えない待機生活を続ける隊員の気持ちを思い出しました。
派遣延期→任国振替した私の場合ですが、待機中はこれから必要で、かつ一生の財産になる語学を磨くことに集中していました。
語学はどう転んでも無駄にならないので、そこまで落ち込んではいませんでした。
が、いざ任国振替となった時はかなり考えました。
というのも、1ヶ月くらいはかかると言われていた任国振替がわずか数日で出てきたため、早急な選択に迫られたからです。
おまけに、出発も回答してからほぼひと月後という急ピッチでした。
チュニジアがどういう国かもその時は分からず、まだ同期隊員と派遣国に行く思いでいたので、なかなか決断できませんでした。
が、選ばずに派遣そのものが消滅することは避けたかったので、気持ちの整理が終わらぬまま、最後の最後でチュニジアを選び、今に至ります。
それ以来、「選んだからには」「チュニジアで良かった、と思えるよう頑張ろう」という思いでやっていますが、総じて良かったと思えることばかりで、このご縁には感謝しかありません。
しかし、任国の政情不安は「明日は我が身」です。
任期終了を待たずに終わってしまう可能性は常にあります。
当たり前に明日があると思わず、日々目の前のことを懸命に取り組むのみです。
この日々の大切さが身に染みてわかるのも、待機期間の経験から来ているのかもしれません。