GOEMON

ハーフフィクションな短編小説を書きます。

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最近の記事

短編小説「SAD!」

 今日失恋した。長年付き合っていた彼女に振られたのだ。原因は俺にあった。不器用と言ったら、逃げなのだろうか。20代中盤にもなって、年下の彼女に振られたのだ。 「人間は簡単には変われない。」 俺が口癖のように言っていたことだ。でも、今考えるとこれは甘えなんだろうな。他人に期待していないと言うように見せて、自分に逃げ道を作っていたんじゃないかと思う。仮にこれが真実であったとしても、大きく変わるために死ぬ気で努力をするべきなんだ。というか、すべきだったと言うべきか。  彼女は

    • 短編小説「空はいつも」

      「まただよ。何も上手くいかねえ。」  不甲斐なさしかなかった。今更ムカつきもしない。また同じような失敗をした。成長をしない自分にも落胆するが、なんでうまくいかないのかもよくわからない。まあ、だからダメなんだろうな。  俺は既に25歳の営業マン。社会人になってから長い時間が経っている。それなのに今日も仕事でうまくいかない。朝までは綺麗に着こなしたスーツがくたびれていた。ベルトが緩み、ズボンは腰履き、ネクタイも緩み、垂れ下がる。 都会のビルのガラスに映る自分の姿を見れば、 「い

      • 面白い運送屋ドライバーの話を小説にしてみた

        はじめまして。 HIROHTENと申します。 僕は実はHiroh IDAという名前でラップをしていて、普段noteやYoutubeではこの名義で活動をしています。こっちのアカウントは小説用のアカウントとして運用します。 タイトルの通りなんですけど、今日短編小説を載せました。小説のタイトルは「運送屋のムラさん」です。 僕はある運送屋でアルバイトとして働いています。その運送屋のドライバーの方がムラさんというお名前なんです。この小説を書こうと思ったきっかけは、この人が魅力的で面

        • 運送屋のムラさん 第一話

          「ナオ。もう21歳だよ。あなたは他の同い年の子に比べて遅れてるの。少しは焦りなさい。」 母はいつもものすごく疲れた顔をして怒っていた。僕は大学生2年生だったが、先月大学を辞めた。昔から勉強が苦手で、課題を提出するのがもっと苦手だった。大学に入ったのも、自分の中では嫌で仕方がなかったが、なんとか耐えて入った。だが、上手く行かなかった。僕が通っていた大学は厳しかった。2年間、一定の単位を取り続ける事ができなければ、自動的に除籍になる。母からは、大学に再入学しろとかそれが出来なけれ

        短編小説「SAD!」