運送屋のムラさん 第一話
「ナオ。もう21歳だよ。あなたは他の同い年の子に比べて遅れてるの。少しは焦りなさい。」
母はいつもものすごく疲れた顔をして怒っていた。僕は大学生2年生だったが、先月大学を辞めた。昔から勉強が苦手で、課題を提出するのがもっと苦手だった。大学に入ったのも、自分の中では嫌で仕方がなかったが、なんとか耐えて入った。だが、上手く行かなかった。僕が通っていた大学は厳しかった。2年間、一定の単位を取り続ける事ができなければ、自動的に除籍になる。母からは、大学に再入学しろとかそれが出来なけれ