読み聞かせ ばかな王様 ニコライ2世
ニコライ2世
昔々ロシアと言う国に1人の王様がいました。
名前をニコライ2世といいました。
ニコライ2世はとても家族を大事にする王様で4人の娘と奥さんに囲まれて家族皆で幸せに暮らしていました。
けれどもニコライ2世にはとても大きななやみがありました。
それはこのこのころロシアでは王様のめいれいではなく自分たちで国のことを決めたいという人たちがとても増えていたのです。
「さいきん、国民は私の言うことをきかなくなっている。。」
ニコライ2世はこのことでとても悩んでんでいたのでした。
この時代、みんなが字がよめるようになり、本を読んで自分で勉強ができるようになったのです。
これまで本読むことができるのは王様や貴族などのえらい人たちだけでした。
けれどもみんなが字を読めて本を読むようになると、人々は何が正しいことかをじぶんの頭で考えるようになってきていたのです。
その為、王様がひとりで国をおさめる時代が終わりをむかえていたのです。
けれどもニコライ2世はこのことがよくわかっていませんでした。
ニコライ2世は何とかロシアの国の人たちを自分の命令に従わせたい
そのことばかり考えていたのです。
「王様はもっと強いけんりょくで、国の人々に命令をくだすのだ。」
そう、ニコライ2世は考えていたのです。
あるとき、ロシアは日本とせんそうすることになりました。
このとき日本は小さな島国でしたが中国大陸にどんどん力を伸ばしていた国だったのです。
日本は中国に戦争で勝ち、こんどはロシアと戦争することになったのです。
ニコライ2世はじつは日本がとても嫌いでした。
なぜかというと、若い頃、日本に旅行にいったときに、とつぜん日本の警官におそわれて、おおけがをさせられてしまったのです。
このことで、ニコライ2世は右耳のうえにおおきなきずをのこしてしまったのでした。
警官はとりおさえられ、捕まりました。
この警官はニコライ2世のことをロシアのスパイだとおもっていたのでした。
そのときから、ニコライ2世は日本人のことをとても嫌いになってしまったのです。
「黄色いサルめ!」
そういってニコライ2世は日本人のことをばかにしていました。
そしてニコライ2世のけらいたちも
「日本になんか負けるはずがない」
「あんな小さな国なんて倒すのは簡単さ」
「なまいきな日本をやっつけてやれ」
そして日本とロシアは戦争をすることになったのです。
ところが実際に戦争を始めると日本は思った以上にてごわかったのです。
バルチック艦隊と日本のたたかい
そこでニコライ2世はロシアのじまんの艦隊「バルチック艦隊」を日本をこうげきするために出発させることにしました。
「わたしのじまんの艦隊で日本をコテンパンにやっつけてやる」
バルチック艦隊はそのころ、世界でもっともつよいといわれた艦隊だったのです。
ぜんぶで50せきもの艦隊が日本をたおすためにしゅっぱつしました。
このことは日本にも伝わりました。
じつは、日本はせんそうがおこるまえから外国の戦艦がせめてきたときのためにじゅんびをしていたのでした。
「バルチック艦隊はどこをとおってやってくるのだろう。」
「どうすればバルチック艦隊にかてるだろうか。」
日本はまいにちまいにち、どうやったら勝てるのか、皆で作戦を考えていました。
いっぽうバルチック艦隊は、艦長の命令がきびしいので、皆、言われたことしかやらなくなってしまいました。
言われたことでないことを勝手にやって艦長におこられるのがこわかったのです。
そして、ロシアからアフリカをまわり半年もの長い航海でみんな疲れていってしまったのです。
「ひょっとしたら勝てないかもしれない」
とみんなだんだん弱気になってきてしまったのでした。
そして、いよいよ日本はバルチック艦隊を九州のちかくではっけんしたのです。
50せきもの大艦隊がゆっくりと日本をこうげきするためにすすんでいました。
日本の艦隊もいそいでバルチック艦隊のいる場所へむかいました。
そして、いよいよバルチック艦隊と日本は九州の対馬おきでたたかうことになったのです。
日本の艦隊をはっけんしたバルチック艦隊の船長は日本のふねにむかってどんどん攻撃をしました。
「うてー」
「日本の船をしずめろー」
けれども距離がとおく、なかなかあたらなかったのです。
日本の艦長は東郷平八郎というひとでした。
東郷は一番先頭の戦艦で、ロシアのこうげきをうけながらも、船の上で指揮を取りました。
こうげきが一番あたりやすい先頭の船で艦長ががんばっている姿を見て、みんな
「自分もがんばらねば」
と思っていました。
日本の船は横からじょじょにバルチック艦隊にちかづいてきます。
そして、いきなりバルチック艦隊と同じ方向にまがったのでした。
「なんだと!?」
バルチック艦隊はびっくりです。
これは日本のさくせんだったのです。
うしろの船もどんどんそれにつづき、バルチック艦隊と日本の艦隊はならんですすむかたちになりました。
そして、日本側の激しい攻撃がはじまったのでした。
日本のたいほうは命中率がたかく、そしてじょじょにバルチック艦隊は1せき、また1せきと炎につつまれていくのでした。
じつは日本は、昔のたたかいを研究して、船は沈没させるよりも、船を火事にしてしまうほうが、相手をたおしやすいということを知っていたのです。
「これはたまらん!」
炎につつまれたバルチック艦隊はとうとうばらばらになってにげることしかできなかったのです。
こうしてニコライ2世のじまんの艦隊だったバルチック艦隊は、このたたかいで日本の船を一隻もしずめることができず、ロシアににげかえることになってしまったのでした。
このニュースは世界中にひろがり、ロシアのバルチック艦隊が負けたことにみんなおどろいたのでした。
ぜったいにまけると思っていたのに、日本が勝ったからです。
ニコライ2世はとてもくやしがりました。
けれどもこれいじょう戦争を続けるより、日本に負けをみとめて、戦争をおわらせることにしたのでした。
セルゲイ・ウィッテの交渉
戦争をおわらせるために、ニコライ2世のためにはたらいたのは、セルゲイ・ウィッテというじんぶつでした。
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