サミールとの再会 【世界旅行記065】
2012年11月11日(日) インド ムンバイ
ムンバイで、友人のサミールと再会した。友人といっても、一度しか会ったことはない。今年の春、妻の会社のアワード旅行でシンガポールに行ったとき、たまたま知り合ったインド人である。
わたしは妻の同伴者として無料で旅行に参加させてもらった。サミールも、幼なじみの男性が妻と同じ会社に勤めており、その彼の同伴者としてシンガポールに来ていた(たいていは家族や恋人が同伴者で、彼のように友人を連れてきている人はめずらしかった)。だから、わたしとサミールとは、会社も何も関係のないつながりである。共通点といえば、タダでシンガポールに来ることができた!という喜びを共有していることくらいである。それが、あたりかまわず写真を撮りまくる彼と、なんとなく仲よくなって、よくわからないけれどもお互い写真を撮りまくって、帰国した。
そして、わたしたち夫婦がインドへ入ったときから、フェイスブックのメッセージで、「ムンバイへ来い、ムンバイへ来い」と連絡を寄越すので、それに引きずられるように、とうとうムンバイまで来てしまった。
昨晩、インド門の前で、そのサミールと再会した。シンガポールで会ったときは、ちょっと変わった不思議なオーラを出しまくっていた彼だったが、いざ再会してみると、ちゃんとした身なりで立派なビジネスマン、「ようこそわたしたちのインドへ!」といった感じで、まるで別人のようだった(ちなみに、彼はインドの大手企業のIT部門に勤めている)。
それでも、根っからの優しさは変わらず、レストランでインド料理を食べながら、いろいろな話をした。シンガポールがはじめての海外旅行だったこと(だからあんなにはしゃいでいたのだ!)、出身地はインド北東のオリッサという町で、両親兄弟を引き連れてムンバイに移ってきたこと、ムンバイは物価が高くて住みづらいこと、よりよい条件を求めて転職を考えていること、父親の影響で毎日かならず瞑想していること、今年からベジタリアンに転向したこと、などなど。こうしてじっくり話すと、インド人に対する理解も深まる。彼に会うためだけにムンバイまで来てしまったような状況だが、わたしたちにとって、それだけの価値は充分にあったと思う。彼に再会できてよかった。
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