台湾周遊(2) 台南 Tainan 【世界旅行記019】
2012年8月4日(土) 台湾 台南
日帰りで台南へ連れて行ってもらった。高雄から電車で30分ほど北上すると、台南に着く。今日も自転車を借り、大汗をかきながら街をめぐった。
台南は台湾のなかでも古くから開けていた地域で、いまも多くの旧跡が残っている。古くはオランダ人が、このあたりを支配していた。17世紀、中国からやってきた鄭成功(ていせいこう)が、オランダ人を駆逐した。以後、長いあいだ、台南は台湾の首都になっていた。
オランダ人が建てた城・赤嵌楼(せきかんろう)は、鄭成功が占拠したあと、台湾の最高行政機関として使われていたという。色あせてしまった赤い柱を見ながら、游さんが「改修してもっときれいにすればいいのに、政府はそういうことをしない」と言う。
ほかに、安平樹屋(バンヤンツリーに侵食された倉庫群)、安平古堡(オランダ人が建てた台湾最古の城、別名:ゼーランディア城)、孔子廟などを見てまわった。
特に興味をもったのは、台湾ではじめての学問の場となっていた孔子廟。外はうだるような暑さなのに、不思議とこの一連の建物のなかは風の通りがよく、少し涼しい。そして、統一された赤の色調が、心を落ち着けてくれる。
大成殿に入ると、頭上にたくさんの額が掲げられていた。よく見ると、台湾の歴代総統の名前が刻印されている。蒋介石から現総統の馬英九まで(もっと古い書もある)。そのどれもが、あまりにきれいな字なので、おどろいた。台湾の人はみなこんな上手に字を書くのだろうか。游さんは、そんなことはないと否定するが、歴代総統の書からは教養がにじみ出ているようで、はたして日本の首相はどうだろうかと考えてしまった。
游さんはこの街が好きなので、よく高雄からバイクで遊びに来るという。ここで食べた甘い春巻き(金得春捲)や豆腐花(修安豆花)は絶品。自分ひとりではたどり着けないような地元のお店に連れて行ってもらい、台南を満喫した。
高雄に戻って、宿近くの「金温州」という游さん行きつけの店で、ワンタン麺(饂飩湯麺)と小籠包をほおばる。地元の人で行列ができているとおり、その味は確かなもの。「ここのママ、きれいでしょ」と言う游さんがおかしかった。
「おいしい、おいしい」と連呼していたら、また游さんがご馳走してくれた。これまでも、食事はほとんどご馳走になっているというのに。わたしが払おうとすると「それは台湾流じゃない」と受け取ってくれない。貧乏旅行をしているわたしのことを慮ってくれているのかもしれないと申し訳なく思いつつ、ご厚意に甘えることにした。
明日から游さんと別れて、台湾周遊の旅がはじまる。まだ、自分ひとりでは台湾の人と接していないが、うまく旅していけるだろうか。少しだけ心配になる。
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