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インドシナ半島をめぐる 〜旅のまとめ〜 【世界旅行記089】

2013年1月2日(水)

インドからタイへ飛び、インドシナ半島を反時計回りにぐるっとめぐった。わたしのこれまでの海外旅行歴は欧米に極端に偏っており、タイもカンボジアもベトナムもラオスも、みなはじめて訪れる国だった。近年注目が集まるミャンマーへは、実質的に空路しか道が開かれていないため、今回訪れるのは断念した。

ベトナムで妻と別れ、それからベトナム、ラオス、タイをひとりで旅した。とくにラオスやタイ北部ののどかさには、心が安らいだ。その間、妻はホーチミンからクアラルンプールへ移動し、そこからオーストラリアへと飛んだ。わたしは、バンコクでひとり新年を迎えた。

混沌のインドから入ったせいか、東南アジアの国々は想像以上に居心地がよく、肩肘はらずに旅ができた(それでもいろいろとトラブルは起きたが……)。食文化や習慣などの面で日本との近接を感じ、顔の似た人々に親近感を抱いた。

インドと中国に挟まれた「インドシナ(Indochina)」には、西からインドの文化が、北から中国の文化が流れ込み、19世紀にはフランスの侵略によってヨーロッパの文化が流れ込んだ。東南アジアのなかではタイだけが唯一、列強による侵略を逃れ、独立を保ってきた。カンボジアにはクメール・ルージュ、ベトナムにはベトナム戦争という悲劇があり、その残骸がまだ尾を引いて残る。旅をしていると、そんな歴史や文化が見え隠れして、なんとなく「ただ楽しい」という気分にはならない。日本に比べたらずっと人々に活気はあったが、インドのような突き抜けた陽気さは感じられなかった。

インドでの体験が強烈すぎたのか、これらの国々でわたしはいまひとつ物足りなさを感じていた。たしかに居心地はよいが、価値観を根底から覆されるような、そんな強烈な刺激を無意識のうちに身体が欲していたのかもしれない。

2012年11月25日(日)〜26日(月) インド チェンナイ → タイ バンコク(エアアジア)
 
弛緩のバンコク 【世界旅行記072】

2012年12月4日(火) バンコク → カンボジア シェムリアップ(バス)
2012年12月6日(木)〜7日(金) シェムリアップ → プノンペン(夜行バス)
 
遺跡で栄える町(上) 沈没場所の条件 【世界旅行記073】
 遺跡で栄える町(下) アンコール・ワット遺跡群 【世界旅行記074】

2012年12月9日(日) プノンペン → ベトナム ホーチミン(バス)
 
「顔」が訴えてくる 【世界旅行記075】

2012年12月12日(水) ホーチミン → ニャチャン(バス)
 
ホーチミンのフルーツジュース屋 【世界旅行記076】

2012年12月14日(金)〜15日(土) ニャチャン → ホイアン(夜行バス)
 
妻と別れて 【世界旅行記077】
 ホイアン散策 ― カメラを手放して 【世界旅行記078】

2012年12月16日(日)〜17日(月) ホイアン → フエ → ハノイ(夜行バス)
 
バスチケット紛失 【世界旅行記079】
 ハロン湾日帰りツアー 【世界旅行記080】

2012年12月19日(水)〜20(木) ハノイ → ラオス ビエンチャン(夜行バス)
 
糸井さん(仮名)について(上) 【世界旅行記081】
 糸井さん(仮名)について(下) 【世界旅行記082】

2012年12月22日(土) ビエンチャン → ルアンパバーン(バス)
 
旅行中の読書について ― キンドルの効用 【世界旅行記083】
 移動こそ、旅 【世界旅行記084】

2012年12月26日(水) ルアンパバーン → パークベン(ボート)
 
ビエンチャンとルアンパバーン 【世界旅行記085】

2012年12月27日(木) パークベン → ファイサイ(ボート)
 
メコンの大河を遡上せよ 【世界旅行記086】

2012年12月28日(金) ファイサイ → タイ チェンコン(ボート) → チェンライ(バス)
2012年12月29日(土) チェンライ → チェンマイ(バス)
2012年12月30日(日)〜31日(月) チェンマイ → バンコク(夜行バス)
 
元上司への手紙 【世界旅行記087】
 マレー半島、南へ 【世界旅行記088】

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Travelife Log 2012-2013
世界一周の旅に出てから12年。十二支ひとまわりの節目を迎えた今年、当時の冒険や感動をみなさんに共有したいという思いから、過去のブログを再発信することにしました。12年前の今日、わたしはどんな場所にいて、何を感じていたのか? リアルタイムで今日のつぶやきを記しながら、タイムレスな旅の一コマをお届けします。


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