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妻と別れて 【世界旅行記077】

2012年12月14日(金)〜15日(土) ニャチャン → ホイアン(夜行バス)

わたしたちは、いまベトナム中部のニャチャンという町にいる。今夜、わたしはさらに北上してホイアンという町へ向かい、妻は南下してホーチミンへと戻る。

ここで妻と別れて、しばらく、またひとり旅に戻ることにした。理由は簡単で、妻はハノイに行ったことがあるから、もう行かなくていいと言うが、わたしは行ったことがないので、できれば行ってみたい。それに、わたしはインドシナ半島をぐるっとまわってみたいが、妻はどこかでゆっくりしたいと言う。ならば、しばらく離れてまたどこかで再会しよう、ということで落ち着いた。

意外にも妻は、これがはじめてのひとり旅になる。すこし心配だが、語学が堪能な妻は、わたしのように理解力不足でおかしな方向へ走る心配はない。ひとり旅をして周囲から心配されるのは、実はわたしのほうかもしれない。

旅に出る前から、2人で一緒に旅をするのもいいし、どこかで別のルートを行くのもまたいい、と話していた。たまたまクリスマスや年末年始が近いけれども、いつも2人で過ごしてきたそういうときを、逆にひとりで過ごしてみるのも、こんな旅だからできることではないか。別に喧嘩別れしたのではない。2人もいいし、ひとりもまたいい。お互いにそう思うから、たまにはひとりの時間を楽しむ。もう4か月も一緒に旅を楽しんできたのだ。

どうもいろいろ聞いていると、一般に夫婦とは、それほど自由なものではないらしい。夫が会社を辞めると言い出して「いいんじゃないの」と答える妻も、次の就職先も決めずに世界旅行に行きたいと言い出して「いいんじゃないの」と答える妻も、めずらしいらしい。「じゃあわたしも」と会社を辞めて一緒に旅に出る妻なんか、滅多にいないらしい。一緒に旅に出たといっても、わたしは妻の退職を待ちきれず、先にひとりで飛び出してしまった。夫をこんなに自由にさせる妻は、あまり他所では聞かないから、妻には感謝しなければいけない。子どもがいないということもあるが、夫婦でありながら、互いに依存しすぎず、それぞれが孤独を楽しめるというのは、わたしにとっては究極の贅沢に思える。

次に会うのは1月か、2月か。まだ決まっていない。お互いがどんな旅をするのか、またひとつ道中の楽しみが増えたように思う。

ニャチャンはビーチリゾート。
あいにく天候が悪く、熱海のような寂れた町の印象も相まって、なんとも寂しい心地がした。
今日はすこし晴れ間が覗いたが、移動を控えているので海には入らなかった。

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Travelife Log 2012-2013
世界一周の旅に出てから12年。十二支ひとまわりの節目を迎えた今年、当時の冒険や感動をみなさんに共有したいという思いから、過去のブログを再発信することにしました。12年前の今日、わたしはどんな場所にいて、何を感じていたのか? リアルタイムで今日のつぶやきを記しながら、タイムレスな旅の一コマをお届けします。


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