しんどかったADHD2
社会人になるまで、正直、自分は割と優秀な人間だと思っていた。
学校の勉強はよくでき、頭がいいと言われていた。
地元は1クラス5人程度の田舎で塾もなかったが、
中学校2年生の頃の頃には独学で3年分の教科書を読み込み、
県の模試では2番とかを取っていた。
高校は地元の進学校、大学もそれなりに名の通った大学に通い、
同期からは「すごいね」と言われるような企業に就職した。
会社で働くというイメージはあまり持てていなかったが、
ゼミ活動やサークルのように過ごしていれば
特段問題ないと思っていた。
だが、就職まえの自分に言いたい。
お前は自分が『何者』かわかっているのか?
当時の自分のセルフイメージは優秀とか闊達とかそんな感じだったと思う。
でも、明らかにこの仕事には向いていなかった。
毎日何回も繰り返される日程調整、資料準備、メール送信、進捗管理。
自分では意識できていなかったが、
これらって、別に成績がよければできるって訳ではないのだ。
特に僕が一番苦手とした資料作成とメール送信については、
同時に入ったアルバイトの女性の方が圧倒的にできた。
つまり、僕が努力して身につけた学歴は、
この職場では全く価値を発揮できず、
ただミスをするやつになってしまった。
例えば、課長の出張に関しての資料作成をしなければならないとき
僕は、毎度のことではあるが、経路記入の仕方を間違え
ホテルの住所を書き忘れ、日付を間違えて資料を作成してしまう。
(もちろん、自分でもミスることはわかっているから、
慎重に注意して作業を行うのだが、
なぜかいつもミスに気づかず、しかも連発してしまうのだ。)
最初は、単なるミスだと思って、
会計課の人も対応してくれるのだが、
そのようなやりとりが3往復も続くと、
誰も構ってくれなくなる。
仏の顔も三度までとはよく言ったものだ。。。
結局、僕は、アルバイトの女性に頼んで文書をチェックしてもらうという
なんのためにいるのかよくわからない人間になっていった。
また、正直、一年目ができる仕事なんていうのは、
いわゆる雑務であり、調整であり、そしてこれが極端にできなかった僕は
総合職という立場でありながら、アルバイトの方よりもできる仕事が少ない
なんとも言えない立場だった。