少子化問題について
日本の人口が減少していてこれを何とか食い止めたいという事で、担当大臣まで置いて政治的に解決しようという取り組みがなされています。そこでよく議論されているのは主に経済的な課題で『子育てにはお金が掛かる』とか『安定した給料が約束されていない』とか『育児休暇制度が十分でない』とかの内容が議論されています。
そういう角度から考えてみてもこの問題はなかなか解決しにくいのではないかと思います。見るべき視点は将来の事を心配するのではなく『今』若い夫婦が仲良く生活して子供を作りたいというワクワク感を持って生きるかという事でないかと思います。またこれは個人的な問題であって理屈政治で解決するのは難しいと思います。
世界的に見ると貧しい国ほど人口が増える傾向があります。70数年前、第二次世界大戦が終わって多くの日本人男性が戦場から復員してきました。当時の日本国民の経済は困窮して将来の事を考える余裕などは無かったと思いますが、多くの若い人たちが結婚して子供が生まれ団塊の世代が出現しました。
私もその一部に含まれますが、その頃の日本の人口は放っておいても爆発的に増えるという事で、小学生の頃は狭い日本を飛び出して海外への移住を夢見る人も多くありました。また日本は国土のうち平野の面積が少ないので都会に住むなら狭小なアパート生活をする事が条件の様でした。
以前アジアのある国で人口爆発を抑える目的で『家族計画プロジェクト』と称し、避妊方法を啓蒙する為に車載式のプロジェクターを使った上映システムを200台程納入した事があります。あの頃は放っておいたら人間はいくらでも増えるものと認識していました。
中国の一人っ子政策などのように人口爆発を防ぐには自分の子孫の将来を考えて政治的な対処をする事が有効かと思います。しかしこれが正反対の方向つまり人口を増やしたいのならもっと本能に訴えて自然にまかせる方にシフトする方がいいのではないかと思います。
多くの課題は理屈とか政治で解決しようと思わない方がいい。不自然に人為的に調整した事で厳しいゼロコロナ政策の後、国民に不満が蓄積して今度は急にそれをやめた事で感染が爆発した中国の例からも分かるように。急なハンドル操作は社会を不安定にします。少子化問題もこれと同じではないでしょうか。
仕事から帰ってきた夫に『お風呂になさいますか?お食事にしますか?それともワタシ?』とかわいい妻に言われて嬉しくない夫は少ないでしょう。また子供と一緒にピクニックに行く事や息子とキャッチボールをするなどの増えた家族でワクワクする事をイメージするのもいいでしょう。このような自然な人間的取り組みが有効なような気がします。
親近効果
『もう一軒行く?それとも帰る?』『帰る?それとももう一軒行く?』あなたはどちらの誘われ方だったらもう一軒行く方を選ぶでしょう? どちらも似たようなモノと思うかも知れませんが心理実験では断然後者の方が誘われ易い事がわかっています。
なぜなら人には相手から言われた最後の言葉に引きずられ、そちらを選んでしまうという心理が働くからです。それを『親近効果』と言います。つまり前者のように誘われると『帰る』という言葉に引きずられて誘いを断ってしまう可能性が高くなります。
相手に『YES』という返事をもらいたいなら相手に選ばせたい言葉を必ず後に言うというのが鉄則です。この鉄則を知っていれば商談の場でも相手に自分の望む決断を促す事も不可能ではなくなります。『二度手間ですが次回になさいます?それともこの際、今やってしまいますか?』
そう言われると相手も『NO』と言いにくくなります。これは意中の人とのデートにも活用できます。この鉄則を知っていれば次のような誘い方は愚の骨頂です。『うちに寄っていく?それとも帰る?』