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退屈な話
校長先生の長~い挨拶
僕が小学生の頃、夏休みなどのイベントの前後には全校生徒が校庭に整列して校長先生のお話を聞きました。考えてみると6歳から12歳までの年齢の為、聞く側には大きな年齢差がありました。
多分そのような事はあまり考慮に入れられていない内容だったのではないかと思います。ただ一人だけ感動を覚え記憶があったのはスピーチが短い先生だけでした。『寒いな~』とか『暑いな~』『早く終わらないかな~』と思った事しか覚えていません。単なる時間の無駄でした。
自分に酔った話し方
退屈な話に延々と付き合わされ、聞く側は辟易していても話している側は全然気づいていない事があります。それは多分話し手が自分の話に酔ってしまっているからでしょう。
例えば東京から大阪への行き方を説明するとします。的確な話が出来る人は新幹線か飛行機か高速道路かの3通りの方法を示して、聞き手がその中の一つについて聞いてきたら詳しい話をします。
ところが、これに対して最初からそれぞれの方法について事細かに説明しようとする人がいます。新幹線はのぞみが一時間に何本出ているかとか出発も東京駅より品川駅の方が場合によっては便利だとか飛行機も日本航空と全日空ではどんな違いがあるとか、車で高速道路を走る場合の注意点など話が止まりません。
本人は親切心のつもりで聞き手の為になると勝手に思い込んでいます。自分はいかに物知りであるかを売込もうとする心理も働いています。だから本人は話しているうちに親切で物知りな自分にどんどん酔っていきます。
結婚式披露宴の場で結婚に関係のない政治の話を長々とする政治家のおじさんもそうです。聞き手は披露宴に関係のない話にうんざりしていますが話し手は自分に酔ってしまっているから止まりません。
ロシアやウクライナの人達と食事す会をすると短いスピーチの後『トス』の掛け声でウオッカを一気飲みします。何人もの人が続けてトスをして、その場はかなり盛り上がりました。今から20年も前の事ですが、当時からウクライナの人達はあまりロシアの事が好きではなかったようです。
中近東で結婚式の披露宴に参加するとスピーチは全く在りません。司会も居ません。日本のパーティーに慣れている自分にはちょっと気が抜けた印象を持ちますが。この方が合理的かもと思います。また日本の各種会合では必ずと言っていい程、上役の挨拶があります。どうしても挨拶をするなら短い事を心掛けましょう。
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名刺小僧
会合に関連して、『この人と会った』『あの人と知り合いだ』と自慢しながら名刺を出す。見せられた方は『へ~』と一応は感心してみせるが内心ではバカにしています。なぜならわざわざ知り合いであるという証拠に名刺を見せるというのは本当は親しくないと白状しているようなものだからです。
『ほら見てよ○○○のマネージャーなのです』と歌手の名前を入れたマネージャーの名刺を見せるより『この間○○○のマネージャーに会ったら・・・』とさりげなく、事も無げに言った方が、はるかに効果は大きい。有名人でなくても取引先の会長や社長を引き合いに出すのもいい。
『御社の会長さん少し瘦せられましたね』『え、会長をご存じなんですか?』あとは『いえいえちょっと』と言葉を濁せばいい。会長と知り合いだと言っているわけではありません。相手が勝手に知り合いだと勘違いしているだけなのです。