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湖水地方

ドバイで仕事をした後、娘のユカリ一家が暮らすポーランドの湖水地方を訪問した。ボートで湖水巡りをしたが夕方になって天候が急に悪化し、貴重な体験というか冒険旅行をした。

湖水地方

ポーランドの北東地域にマズーレ(湖水地方)と称される風光明媚な観光地がある。ここは3000の湖が水路で繋がっていてパワースポットでもあり、ユネスコの文化遺産にも登録されている。地理的にはロシアの飛び地カリーニングラードとの国境近くだ。陸には絶滅が危惧されているヨーロッパバイソンが保護されながら生息している。

朝7時にウッジの家を出発して、午後1時頃に到着した。首都ワルシャワの付近は高速道路があるが、湖水地方は昔ながらの曲がりくねった田舎道だ。途中で何回か道に迷ったが、GPSのお陰で何とか目的地にたどり着いた。全行程を義理の息子バートが運転してくれた。

ホテルのあるギジツコの近くでエンジン付きのボートを借りた。半日で250ズロチ日本円では約7000円だ。この値段は観光の中心地であるミコワイキに比べると5分の1との事だ。天気が良く暑かったので幌を全て巻き上げて、エンジンをかけ、出発した。

途中で2回レストラン船に立ち寄り昼食を頂いた。湖で採れた魚料理をアテにビールを飲んだが大変うまかった。ほとんどのヨットは帆を畳んでエンジンで走っていたが、いくつかのヨットは国旗を掲げており、地元ポーランドのほかスペイン、ドイツなど様々なものがあった。

その中に日の丸は無かったが自分にとって見慣れたUAEのものがあり、感動した。ここは運河によって小さな湖がつながっているので船遊びには面白い地形だ。

天候が急変する

大きな湖を4つ程進んだところで時刻は夕方5時になりUターンした。それから時間が経つにつれ走っている船数が減ってきた。往路よりもかなり時間が掛かっているように思われた。往路立ち寄ったレストラン船が無かったので、バートに方向は合っているのか聞くと自信無さそうに『I think so』言われた。その内に見覚えのある最初に通った運河に差し掛かったので方向は合っていると確認できたが、天候はかなり悪化している。

7時半ごろになって更に天候が怪しくなり、ついに雷が鳴りだした。そうこうしているうちに大粒の雨が降り出したので、慌てて幌を閉めた。ユカリもキャビンから出てきて二人で必死にセットし終えた。

強い風も吹き始め、幌をセットしたボートは強く風の影響を受ける。やっと船着き場に差し掛かる頃、さらに波が高くなり、エンジンの音がプスプスとガス欠のような音がし出した。これはまずいと思った。これは高波のせいであったみたいだ。

湖岸を見るとジェットスキーをキャリアーに付けて引き上げようとしている自動車が強風と雨の為に湖にずり落ちそうになっていて、あやうくそのジェットスキーと衝突しそうになったので、『リバースに入れろ』と言うとやっとボートはコントロールを取り戻して桟橋の空いた所に近づく事が出来た。

ボート屋のおっさんが桟橋から着岸を手伝ってくれた。やっとの思いでもやい綱を桟橋に結び、人間一人が通れるだけ幌を開けて子供たちから先に下船させた。波が高いので、下船だけでも大仕事であった。桟橋の上は風と雷雨で大変な状況であったが、家族全員でレストハウスまで走って行きやっと事なきを得た。

車で20分ほど走ってやっとホテルに着くと時間はもう9時半を回っていた。このホテルは西暦1400年頃に建てられた城を改装したもので、歴史的な建物らしい。まだ雨が上がっていなかったので、ホテルのレストランで夕食を頂く事にした。また湖の魚料理を注文した。

食事をしながら、今日起こった事を皆で話し合い、『大変貴重な体験をした』と全員が感想をもらしていた。小さな孫2人を連れているので怪我をさせてはいけないと思い、必死であった。5人全員無事に帰れてよかった。天候は急に変わることがある。油断大敵。

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ギジツコで宿泊したホテル


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