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『13』という数字
昨年半年間の入院中の後半、リハビリのひとつとして回廊型の病院の廊下伝いに歩行器を使ってぐるぐる歩いていました。その時気づいたのですが、病室の番号は3の次が5で4番が空き番になっていました。これは日本では4を『死』を連想する不吉な番号(忌数)という事で特に病院では使うのを止めているとの事でした。
同じように西洋社会では13が忌数と言われ、ビルの13階は設けず、12aや12b等とするケースがあるほどで、例えば『13日の金曜日』や『ゴルゴ13』等は一般的に不吉な印象が持たれます。カトリックの国フィリピンでも高層ビルでエレベータに乗るとそうなっていました。
ところが13という数字は大変意味深く、古代ユダヤ教に伝わる占いに使われたカパラ数秘術にあります。一点目として13は6番目の素数である事。2点目は1と3を入れ替えても素数である事です。これはEmirpと呼ばれ逆から数字を読んでも素数になる自然数の事です。そして13を2乗すると169ですが、この数字を反対にすると961でこれは31の2乗です。
カパラ数秘術における13の意味は『支配』や『統治』を表し、『その力を内在した数字』と考えられています。カパラ神秘学や古代インドのヴェーダ聖典において、この世の全ては波動であり、その波動は固有の数字で表現されていると言います。
1米ドル札のデザイン
米国の1$札のデザインに注目してみましょう。様々な個所に13個の模様があしらわれています。これはデザインした人がカパラ数秘術の13の意味するところを察して作られたものだそうです。
① Annuit Coeptis:ラテン語『神よ、私達の企てを喜んで下さい』の文字数
② ピラミッドの階段数
③ ダビデの星(六芒星)の数
④ 矢の数
⑤ オリーブの葉の数
⑥ オリーブの実の数
⑦ 盾のストライプの数
13方良し
以前海外の取引先の人から『Win-Win Situation』つまり『売り手よし買い手良し』の状況を作り出す事が商売のコツだと言われた事があります。一方日本では、近江商人の心得で『三方良し』つまり商売は『売り手よし、買い手良し、世間良し』でないといけないと言われています。
『三方良し』を更にバージョンアップさせた話が釈迦の前世物語集『ジータカ』の『千金の魚』の話に出てきます。
『父の遺産相続をした後の兄弟が、ガンジス河のほとりで弁当を広げていました。兄は河の神様へ日頃の感謝をささげようと自分の食事の一部を魚に与え、その功徳を河の神様へ捧げました。この考えを『三方良し』に加えますと、3方向を円満にプラスにできたその功徳を神仏に捧げるのですから、神仏にも喜ばれます。
神仏は東西南北とその上に北東や南東等などを加えた12方向に真上を加えた13方向に存在しますので、『13方良し』となります。つまり神仏にまで喜んでもらえるような行いをすべきと説いています。
自社の製品やサービスが人に喜ばれ、その功徳を神仏に向ける考えを持つ事により、一人ひとりの精神が輝き、社業の発展に貢献できる事と思います。また13という数字の持つ意味を理解して行動するのも役立つでしょう。