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逃げの心理と進化型組織

逃げの心理

人は生きている限り、自分の身を守りたい気持ちから逃げの心理に捕らわれます。そして逃げの心理に捕らわれると負のスパイラルに陥ります。いかに現役時代を逃げ切って後半生に少しでも蓄えを残すかばかりを考えていると、思考がワンパターン化していきます。それもマイナス思考のワンパターン化であり、こうなると頭の機能が錆びついてきます。

ますます頭の衰えを自覚する事になり、悲観からさらに逃げの心理が強くなってきます。これでは創造力も集中力も衰えるばかりで、60代以降は悲惨な事になりかねません。50代が逃げの心理に捕らわれてしまうのは長らく頭の管理を怠ってきたからです。30代から40代に掛けては放っておいても頭は回転します。

それをいい事に頭の管理を怠っていると、少し頭が弱くなったと自覚した途端、もうダメかも知れないと悲観的になってしまいます。逆に言えば頭の管理をして頭の使い方を工夫し、生き方までも変えていくなら、50代60代の頭は20代と比べても遜色ないものになります。

確かに瞬間的な反応は20代の方が勝るでしょうが、深い思考力や強靭な創造力は50代の方が上回ります。50代はまだまだこれからの時代です。その事を知るだけでも力が湧き、自分の能力を伸ばしてやろうという気になるはずです。

一方、40代でも思い上がってしまい自分は完成した人間だからもう学ぶ事はないと考える人は、そこで成長は止まってしまい、周りから見ても魅力がありません。そういうリーダーを上司に持つとその組織全体が仕事を改善していくという気概が薄れて社会から取り残されます。その様なリーダーの元で仕事を進化させる事などは無理な話です。

仕事を進化させる

経験のない未知の分野の仕事を始めるには勇気が要ります。またその仕事を進化、継続させるには仕事の規模に合わせて組織を拡大させる必要があります。その時に気付くのは組織の規模があるサイズに達すると組織そのものがあたかも生命体の様な意識を持ってきたように感じられる事です。

組織が世間の順風に従っている時はトップの考えや、メンバーの意識の力ではなく、進化というはるかに大きな力、生命体エンジンに従う事で成長は勢い付きます。その場合は組織の進化は複雑なプロセスを経ますが、計画された全体構想に従って進行するのではなく同時に進む数多くの小規模な実験を繰り返す事で成し遂げられます。

進化はトップダウンのプロセスでは上手くいきません。組織全体に浸透する為に皆の参加が求められています。従って特定の決められたリーダーが居ない方がかえって進みやすい事も分かってきました。

あらゆる細胞や感覚のある生命体は自分の環境を感じ取り、他の生命体と調和し、新しい道を模索します。解決策が繰り返し素早く試されます。そしてうまく行かなければ即座に捨てられ、うまくいくとシステム全体にすぐに広まります。

人はこれまで融通の利かない前任者から引き継いだ既存の規則に従って組織を運営してきました。ところがインターネットが発達した今の世相はこれがはずれたみたいです。大きな飛躍の準備ができたのかも知れません。米国のGAFAと呼ばれる会社群などはこの生命体としての進化のエネルギーをうまく活用して急速に成長してきたのではないかと思います。

従来の組織の中でこれまで描いてきた計画通りに進めようとした試みを捨てる準備ができたのです。生命が開放してきた最も強力な拡大のエンジンである進化を招き入れて新しい分野の仕事を拡大させましょう。


僕は変態するよ!

新しい仕事に取り組むには、過去の経験から見える部分と今はまだどのメンバーにも見えていない部分にも挑戦する必要があります。これはキャンプファイアに例えると分かり易いと思います。この部分は原文が英語であった事も在り、分かり易くする為に、自分の会社で試している内容を書き加えて意訳します。

キャンプファイアに例えると

キャンプファイアをすると暗闇の真ん中に大きな炎が灯ります。炎の近くは明るくて暖かい。キャンプファイアを囲む人々の関係も穏やかになり、時に深い対話に発展して一体感が生まれます。それ以外にも様々なワクワクするような素晴らしさがキャンプファイアにはあります。

そこにはワクワク感以外にも『一体感』『自律』『イノベーション』『変化への対応』『安心感』など様々な成長の為のネタが含まれています。

一体感を得る為のチーム作り。明確さを得る為の業務の標準化、温かさを得る為の組織文化造りなど。またそう言ったものはうまく機能する事も在りますが、キャンプファイアの外に広がる暗闇、つまり『未知の領域』に一歩足を踏み出す行為を阻む仕掛けにもなります。

暗闇にはモンスターが潜んでいるかも知れませんが、宝物があるかも知れません。その暗闇に足を踏み出せるかどうかが従来型と進化型組織の大きな違いです。その時グループ内に進化型組織を目指すメンターがいて、恐れを超えて未知の領域に踏み込んだ時は、個人や組織が最大の潜在能力を発揮する事をサポートする存在になります。

メンター自身が常に問題から逃げないで、自分の未知に対して克服意欲がある事。立ち向かう勇気を持っていなければ、その支援はできません。進化に向かう為には自分の中に未知の領域があるかも知れないと思う謙虚さとそこに飛び込む勇気がある事が重要になります。

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