2024ニホンミツバチ分蜂記① 春は引っ越しのシーズン
~写真は、ネコヤナギで花の蜜を集めるニホンミツバチ。黄色い花粉を丸めて脚に付け、巣に持ち帰ります~
冬の冷たい空気が緩み、木々のつぼみが膨らみ始めました。春の気配が満ちてきました。
寒くて食べ物(蜜)のないつらい時期を巣の中で耐えたニホンミツバチは、分蜂(ぶんぽう)のシーズンを迎えています。
分蜂とは、巣分かれ、引っ越しのこと。地域差はありますが、私の住む九州では3~5月がシーズンです。
群れに女王バチはただ1匹。そこへ新たに1匹誕生すると、元々の女王バチは、働きバチの半分を引き連れて巣を離れ、引っ越し先を探します。
ニホンミツバチの愛好家は、分蜂の群れに入居してもらおうと、誘因の工夫を凝らして空の巣箱を設置します。そわそわして落ち着かなくなり、群れをゲットできたら、それこそ拍手喝采、万歳、満面の笑み、祝杯で喜びに浸ります。
最近は、女性の愛好家が増えているようです。
日曜のテレビ番組「鉄腕ダッシュ」で、ビル屋上でのニホンミツバチの養蜂が取り上げられたのも影響しているでしょう。
私の師匠のところにも、巣箱を買い求めたり、ノウハウを尋ねたりする「プチ養蜂家女子」の問い合わせ、訪問が相次いでいます。
理由は「癒やされる」から。うん。わかる、わかる、わかります!
巣箱の門を出入りするミツバチたち健気で懸命で無心なので、1時間でも2時間でも眺めていられます。
私は62歳男性。福岡市と鹿児島県南九州市の2拠点暮らしをしています。
ニホンミツバチとの付き合いが始まったのは、長らく勤めた新聞社を退職してからのこと。
今回の分蜂シーズンは巣箱を35基~40基設置するつもりです。
配置先は▽南九州市(4か所)▽宮崎県高千穂町(4か所)▽福岡県那珂川市(1か所)▽佐賀県鳥栖市(1か所)ーーです。ほかに4月に入ったら佐賀県嬉野市にも置けそうです。
ニホンミツバチの養蜂でもっとも気を付けているのが「農薬」です。
日本の畑や田んぼは、ごくごく一部を除いて、必ず農薬を使っています。
ですから、ミツバチや蜜を農薬から守るため、蜂場の選定には気を遣います。なんといっても、蜂蜜は安全安心でなければなりません。譲れない一線です。
2024年の分蜂シーズンのあれこれをこれから随時アップしていきます。楽しんでいただければ幸いです。そしてかわいいニホンミツバチたちのファンになってもらえればとてもうれしいです。 (了)