寺山修司
青森県出身。1935-1983。短歌による文壇デビュー以降、評論、詩、演劇、映像の分野で活躍。演劇ではアンダーグラウンド劇団「天井桟敷」を主宰。その多岐にわたる活動のジャンルは幅広いものがありましたが、私が好んで読むのは、少年期の美しい短歌です。三首だけ記します。
森駆けてきてほてりたるわが頬をうずめんとするに紫陽花くらし
蝶追いきし上級生の寝室にしばらく立てり陽の匂いして
そら豆の殻いっせいに鳴る夕母につながるわれのソネット
この頃の寺山は、果樹園などの場面が眼に映るような映像的な詩・短歌・俳句を残しました。