ドゥルーズの概要
ジル ドゥルーズ。1925-1995。数学の微分概念を哲学に転用して、差異の哲学を構築。スコトゥスの存在の一義性という視点から、ヒューム、スピノザ、ベルクソンらの著作を読み解いた。
20世紀のフランス現代哲学を代表する哲学者の一人であり、ポスト構造主義の時代を代表する哲学者とされる。
『記号と事件』に「追伸」として収められた「管理社会について」では、…「管理社会」という概念を提示している。この概念は、監視カメラやデータベースなど、個人情報の大規模な集積を容易にする電子技術の発達との関連から、規律に代わる、個人の管理(コントロール)のための新たなテクノロジーの発展を予期したものである。
フェリックス・ガタリとの共著のなかで、戦争機械、リゾーム、器官なき身体等の「概念」を次々と創造していった。これらの理論はニーチェ、ベルクソンにその源流を持つ「生成の哲学」とも言うべきもので、、日本の思想界にも大きな影響を及ぼした。(浅田彰、中沢新一などのニューアカデミズム)。
以下にドゥルーズの仕事を粗描する。
初期(1960年代半ばまで)
ヒューム、ベルクソン、スピノザ、カント、ニーチェ等を自身の問題にひきつけて整理
・経験論、差異、一義性、超越論的なもの、内在性といった、ドゥルーズの主
要タームに関する省察が行われる
前期(1960年代末)
『差異と反復』(1968年)および『意味の論理学』(1969年)の時期
・個々の哲学者の整理を離れ、独自の哲学を展開する
・西洋形而上学を貫く「同じもの」をめぐる悪しき「思考のイメージ」が批判
される(デカルトのコギト、カントの超越論的なもの等)
・「差異の永遠回帰」としてのニーチェ解釈
・自身の方法論となる超越論的経験論の整理
・深層と表層をめぐるトポロジー
・ドクサに対するパラ‐ドクサ(パラドクス)の論理学の対置
・三つの位相で展開される時間論
ドゥルーズ&ガタリ期(1970年代)
『アンチ‐オイディプス』(1972年)から『千のプラトー』(1980年)までの時期
・多くの概念群が創造される。ガタリとの共同作業。「外」へと向けて「哲学」
が開かれる。
中期(1980年代前半)
『シネマ 1*運動イメージ』/『シネマ 2*時間イメージ』(1983年/1985年)、『感覚の論理』(1981年)の時期(映画論、絵画論)
後期(1986年〜1995年):自身の哲学の体系的叙述(特異なテーマ群)
・『フーコー』(1986年)および『襞 -ライプニッツとバロック-』(1988年)に
代表される、「襞」の概念を巡る問題系
・『哲学とは何か』(1990年)における総括的記述
・「内在」と「潜在性」の再記述
(ウィキペディアより)