口語 養生訓 よみ解き塾
貝原益軒 原著 松宮光伸 訳註
口語 養生訓 日本評論社.2000.より引用
第五章 五官・居住・睡眠・あんま より
5.目と歯を保つ方法
歯を磨き、目を洗う方法。
毎朝、まず熱めのお湯で目を洗い温めて、鼻の中を清める。
次に、ぬるま湯で口をすすぎ、昨日からの歯に詰まったものを吐きすて、干して乾かした塩を用いて上下の歯と歯茎をすりみがき、ぬるま湯を含み、口中をすすぐこと二、三十回。その間に、別の椀へ、ぬるま湯を荒布の小さな篩でこして入れておく。
次に手と顔を洗い終わり、口に含んでいた塩湯を右で述べた荒布の小篩に吐き出し、こしてから椀に入れ、その塩湯で目を洗うこと左右十五度。その後、椀の湯で目を洗い、口をすすぎなさい。これで終わりである。
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鼻うがいが良いと言われているように、このように目や鼻、口をすすぐのは気持ちが良い。また、塩水で歯を磨くと、歯茎が引き締まってくるのを感じる。
ただ、口に含んでいた塩湯をこしたものとは言っても、それで、目を洗うことは、いかがなものか・・・未だ試したことはない、勇気がいる。目を温めるのは良い。
蒸しタオルなどで目を温めると、本当に目が休まり、疲労回復になる。
目を塩水で洗うことに関しては、今の医学の見解では、目を防御している涙の層を正常に保つためには、目を洗うのはゴミが入った時だけが良いようだ。