田所真理子 / tadokorogaro
4年前の松本旅行中、日本料理『温石』で念願の晩餐をいただいた折に、真理子さんの営むギャラリー『tadokorogaro』に出会いました。
音や時間が吸いこまれ、繭のなかに居るような気分になったことを思い出します。
それ以降何度か訪れるたび、感性をゆすぶる品品、お料理と空間まるごとが五臓六腑に沁みいり、特別で美しい場所にいつもすっと背筋がのびる想いでした。
旦那様は温石を、真理子さんはギャラリーを、松本の自宅の一角を自らで改装して15年。
ひっそりとつづく、物語のような存在。
そしてこの春より、長野のさらに北に位置する信濃町へとご家族でうつられ、またあらたな場所を拵えているそうです。
この場所、そして御夫婦は、わたしにとっての”松本”であり、そしてそれはきっとほかの多くのかたにとっても。
真理子さんの絵には、言葉のない世界で、観るひとがそれぞれにイメージやストーリーを膨らませる余白があり、それをとても心地よく感じます。
今回はお手元にあるもののなかから、活版印刷の”雷鳥”(実は長野県の県鳥)と”りんごおじさん”の2種類のポストカードを提供していただきました。
丁寧にとられたお出汁のように、じわじわくる真理子さんのイラストとともに、大切なひとへ今の気持ちを綴ってみてください。