
「精いっぱい咲こう/精いっぱい散ろう」〜恩師にもらった「致知」の言葉
先日、高校時代の同窓会に参加しました。
卒業30周年記念ということで久々に大人数で集まったのですが、あっという間に当時の感覚に戻れるのは不思議ですね。男子校で、しかも3年間クラス替えなしだったので、特に結びつきが強かったのかもしれません。
当時の担任の先生(御歳 74歳!)を同窓会へご招待したところ、たいそう喜んで参加してくださいました。会の最後に、同級生全員へ一言いただきたいとお願いすると、在学当時のようにシャンと背筋を伸ばし、こんな言葉を贈ってくださいました。とても心に響いたので、ご紹介します。
「花は咲いている
精いっぱい 咲いている
私も 精いっぱい咲こう」
これが今のあなたたちの世界です。
私の世界。
「花は散っている
精いっぱい 散っている
私も 精いっぱい散ろう」
散るのは死ぬことです
どんな死に方をするか
死ぬまでにどんなことができるか
それをいま思案中です
先生は「これは、致知という雑誌に載っていた言葉です」と解説してくださいました。後で知ったのですが、月刊 致知 2018年10月号に載っていた言葉です(定期購読しているのに未読でした…)。
巻頭の五木寛之さん・横田南嶺さんの対談。横田さんが15歳の頃に松原泰道禅師からもらった言葉(花が咲いている 〜 精いっぱい咲こう)を紹介したのをうけ、五木さんが80歳を越えた自身に置き替えて、いまは「精いっぱい散ろう」の心境だ、と応えておられます。
人生の大先輩からいただいた言葉そのものも素晴らしかったのですが、恩師がいまも学んでおられ、僕たちに「致知という雑誌を知っていますか?」「素晴らしい雑誌です。ぜひ読んで下さい」と推薦してくださる、その姿勢にも感銘を受けました。今さらながら、すごい先生に学んでいたのだなぁ…と。
◇ ◇ ◇
この言葉を聞いた翌日、同窓会帰省から戻る新幹線のなかで、樹木希林さんの訃報をしりました。享年 75歳。先生や実家で会った母とも同世代であり、「散る」をリアルに感じられたのは言うまでもありません。
僕ら世代も人生の折返し地点を過ぎました。まだまだ「精いっぱい咲こう!」の意気込みでやっていきたいですが、あわせて「精いっぱい散ろう!」の覚悟も持っていきたい。そんな風に思わされる体験でした。
先生、ありがとうございます!
※「言葉のごちそう」に出逢ったら、Twitterでもつぶやいています。
2017年以前に出逢った「言葉のごちそう」は以下に記録しています。
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