取材記:鈴鹿アンリミテッドFC編
少し時間が出来たので、「取材記」を書いてみようと思います!
「モータースポ―ツ都市」鈴鹿での取材
今年6月、日本フットボールリーグ(JFL)・鈴鹿アンリミテッドFCを取材させていただいた。今年、JFLに初昇格した同クラブは日本の全国リーグ史上初の女性指揮官=ミラグロス・マルティネス監督を招聘。主に女子サッカーを取材している筆者にとって、ミラ監督は本当に気になる存在だった。
取材以前には、JFL公式チャンネルでMIOびわこ滋賀との開幕戦やヴィアティン三重とのダービーのライブ配信映像を観たり、天皇杯出場権を懸けた三重ダービー再戦や、JFL第4節のFCマルヤス岡崎VS鈴鹿アンリミテッドFC戦を現地観戦して準備した。
準備した、と言うよりも、開幕戦ですでに“スペイン流”が十分に感じられるビルドアップとパスワークが確認できたので、どんどんミラ監督と鈴鹿アンリミテッドFCに惹かれていったのだろう。客観的にも、「鈴鹿アンリミテッド」っていう名前は超カッコイイネーミングでセンスあるんじゃない?とも思う。
【参照記事】女子サッカーだけでなくJFLも取材した2019年
ちなみに、「モータースポーツの町」鈴鹿へは近鉄電車で足を運んだのだが、三重交通バスへ乗り換えるために白子駅で下車。そして、駅から出た途端、真ん前に(トップ写真の)サーキット場を想起させる看板が!
そして、ミラ監督を取材すべくクラブ事務所へ向かったのだが、周辺には、「本田技研工業鈴鹿製作所」など、当たり前ながらも、Hondaの存在を強く感じさせられた。
現在の鈴鹿が位置するJFLには、今季で4連覇を達成したHonda FC、そして、筆者が現地で翌日に取材予定の試合相手もホンダロックSCだった。「どちらがホームタウンなのか?」と、この土地、あるいはプロ・アマ・学生混在のリーグであるJFLならではの”深さ”をこんな部分にも感じながら事務所に到着した。
「お嬢様聖水」と独特なクラブハウス
話題になったユニフォームの胸スポンサーになっている「お嬢様聖水」(女性用エナジードリンク)が大々的に使用されているクラブの社用車が止まっている。ココが日本初の女性監督ミラが率いる鈴鹿アンリミテッドFCのクラブ事務所・・・だった。
見た目の通り、自動車部品・用品製造会社工場跡地に構えたフットサルコート兼クラブ事務所。周辺が全て工場地帯になっているため、遠くからだと工場にしか見えない。
ただし、内装はしっかりとしたフットサルパークになっている。地方都市ならではの創意工夫を凝らして構えた事務所であり、せっかく場所を構えるならばと、工業地帯にフットサルコートを併設するアイデアは斬新で理に適っている。
話を戻すと、フットサルパークの入ったところにミラ監督が立っていて、いきなり片言のスペイン語でご挨拶。ご丁寧に名刺も交換していただいた。インタビューは会議室で実施。この時の記事は、『サカノワ』さんに掲載された。(下記参照)
ミラ監督インタビュー①『規模は似ている鈴鹿とアルバセテ。「数万人がサッカーを楽しむ」中からイニエスタは生まれた』
インタビュー②『鈴鹿で挑むスペイン流+日本人の特徴を生かした攻撃的サッカー』
インタビュー中も感じたが、ミラ監督の笑顔は優しく包み込んでくれる包容力を感じる。また、試合会場でのファン・サポーターへ向けた挨拶やインタビュー中でも、自分の言葉を小澤哲也通訳が訳している最中、子供たちへ笑顔を振りまいたり、時には変顔をしたりして和ませてくれたりする。
ちなみに筆者のインタビュー中には、「スペイン人の大物監督はJリーグで失敗した例もよくあります」との“意地悪な”質問に対して、首切りポーズで白目になったりという表情豊かで朗らかな人柄に触れることができた。
「得点王」と「得点女王」
以降、ミラ監督や鈴鹿アンリミテッドFCについては複数回に渡って取材させていただいた。
そして、鈴鹿はJFL初昇格ながら3試合を残して残留を勝ち取り、個人としてはFWエフライン・リンタロウが29試合の出場で18ゴールを挙げてJFL得点王に輝き、ベストイレブンにも選出。ミラ監督の続投も発表された。
昇格組ながら誕生した「得点王」エフライン・リンタロウ選手には、10月に単独インタビュー。自身のキャリアについて語っていただいた。マイペースながら、プロサッカー選手としての覚悟を持つ彼がその後、得点王に輝いてくれたのは嬉しかった。
『JFL得点ランク1位エフライン・リンタロウが鈴鹿で覚醒した理由とは?』
ちなみに昨年4月には、なでしこリーグ2部・ニッパツ横浜FCシーガルズに所属していたFW大滝麻未選手(現・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)を取材し、彼女も得点王を獲得。「得点女王」と言わないと怒られそうだ(笑)
『FIFAマスターから東京五輪へ~元日本代表FW大滝麻未の現在地』
そこで思い出したのだが、大滝選手を取材するキッカケになった上記写真の日。昨年の『プレナスなでしこリーグ』2部の第2節、ASハリマ・アルビオンVSニッパツ横浜FCシーガルズ戦を取材したことだった。
この日が日本復帰戦だった彼女は、上記のインタビューでも触れた通り、浮き球のクロスに対して下がりながら左足での豪快なボレーシュートを炸裂。外国人FWのようなゴラッソだった。
当然、彼女自身のキャリアも知っていたが、この時に旧知のハリマ側の広報スタッフさんに頼んで、シーガルズ側の統括担当さんを紹介していただいたのがキッカケだった。
やっぱり、A.I.全盛の時代になっても、“人のつながり”ほど重要なものはないですね!
(続く・・・かも?取材記に需要があれば・・ですが・・)
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