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【建築】森のような光の回廊 Allen Lambert Galleria(サンティアゴ・カラトラバ)
建築家サンティアゴ・カラトラバ。
彼の設計する建築の造形は他の追随を許さないほど美しい。
しかし最近はコスト超過の建築家としても知られており、彼の作品を見れば素人でも「こりゃ金かかるわ」と納得?するような建築ばかりである。
そんな彼の比較的初期の作品がカナダのトロントにある。
トロントは人口250万人を超える大都市であり、ダウンタウンには200mを超える高層ビルが20棟以上も建っている。
今回紹介するAllen Lambert Galleriaはその高層ビル群の一画にある。正確に言えば、Brookfield Place(通称 BCE Place)というツインタワーの間につくられたアトリウムのことである。
著名な建築家の、特に独特のデザインをする建築家の初期の作品というのは、時にまだその”らしさ”が成熟していない場合もある。
果たして今回はどうか?
休日で人影の少ない早朝のビル街を歩いていくと、エントランスが見えた。
既にカラトラバらしさがチラリと見える。
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期待しながら早速中に入ると、
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「おおーっ!!」と声が出てしまった。いきなり期待以上の空間!
「”らしさ”が成熟していないかも...」なんて要らぬ心配だった。もう100%カラトラバの空間である。
あえてかもしれないが、ビル側の意匠が地味なので、カラトラバのデザインがさらに際立っている。(ビルの設計はカラトラバではない)
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このアトリウムは、Crystal Cathedral of Commerce(商業施設のクリスタル大聖堂)とも呼ばれているそうだ。たしかに屋根周りの構造などは、教会の建築様式を彷彿させる。
屋根は自立する8本の柱で支えている。
1本の柱は途中2本に分かれ、さらにその先で2本に枝分かれしている。
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足元の照明も丁寧にデザインされている。コレ欲しい。(どこに置くんだ?って話だが)
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途中、中庭にも出入口がある。カラトラバにしては控えめなファサードだ。
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さらに奥に進むと商業施設に囲まれた広場に出る。こちらも美しい!
このアトリウム全体的に言えることだが、森の中の木漏れ日をイメージさせ、複雑な光を落とし込んでいる。
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ここも4本に枝分かれした柱で支えている。
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そしてやはり柱の足元までもキッチリデザイン!
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これも多分カラトラバによる噴水。
水の流れを表現しているのだろうが、噴き出す水が見えない...
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このアトリウムはトロントのパブリックアートの施設として国際コンペが行われ、その結果カラトラバの案が選ばれたそうだ。
素人目線であるが、普通にガラスの屋根を支えるだけであれば、ここまでの鉄骨は必要ないだろう。しかしカラトラバの建築でそれを言ったら終わりである。この無駄な鉄骨こそ”カラトラバらしさ”なのだ。
そしてここまで鉄骨を使いながらも、軽やかで居心地の良い空間をつくることが出来ることこそカラトラバの真骨頂なのだ!
ホント、思いのほか良い建築であった!
カラトラバ建築:ねじった高層集合住宅
カラトラバ建築:翼を広げる美術館