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深めていくことでしか見えてこない世界
設計のプロセスは、いつも旅をしていくように移り変わっていく。
始まりは敷地を訪れ、クライアントと語らうこと。そして、住宅であれば、そのご家族がどう過ごしていかれるのかを想像していくことから。スケッチブックにペンを走らせながら、建築と繋げていく。
スケッチブックのなかの旅は、しばらく続く。スケッチブック、三角スケール、色鉛筆があれば、どこでも考えることができるし、描いていなくても頭のなかで想像し続ける。
そして、徐々にスタッフとの協働になっていく。最近はBIM的にCADを使っているので、ラフプランをもとに模型を作り上げるようにヴァーチャルな空間が組み上げられていく。それを一緒に確認しながら可能性を探っていく。
設計のプロセスは、連続的で、どこまでも深めていけるもの。それゆえ、検討するポイントは、出現し続ける。それは「気付き」となって、さらに設計を前に進めて行く。これは、初期提案を過ぎても、基本設計、実施設計、現場検討…とそれぞれのタイミングで続いていき、それをやり続けることは、きっと建築のクオリティを変えていく。
これらはスタッフとの打合中に、その場でトレーシングペーパーに描きこんでいったスケッチ。PCに立ち上がるCGをみながら、アナログに検討していく。手で考えることは、テクノロジーの進化とやはり併走している感覚がある。
クライアントに提案するときは、やり方は色々とあるけれど、できるだけわかりやすく、イメージしやすいように…を心掛ける。それは、同じ方向を見て進んでいるのかを確認しながら歩んでいくには大切なこと。もちろん、かなりの手間がかかるけれど、同床異夢にならないということは、プロセスを楽しみ、共に歩むために必要なポイントになる。そして、スタッフと自分との間にも共通する空間が立ち現れる。共に美しいと感じる空間を目指すには、事務所の中での共有も大切なこと。
建築をつくることを楽しむ。そのためには真っ直ぐに向き合う必要がある。深めていくことでしか見えてこない世界がある事を知ってしまっているから、きっとそのやり方は守り続けるのだろうと思う。