読書感想文 寝太郎さんの新刊

本を読んだので感想文を。

存在消滅: 死の恐怖をめぐる哲学エッセイ 高村 友也


「寝太郎」のペンネームでブログを書いていた、山奥に小屋を自作して暮らすなど、ミニマリスト的生活を実践しつつ、日々生きること、死ぬことについて哲学を深めている高村さん。

本書は、哲学考察と、その間に挿入されるここ数年の活動の実績。バランスは8:2といった感じ。

ミニマリストとしての寝太郎さんを私は後者を知りたかったので、すこし肩すかしを食らった感じ。俺は哲学考察には興味ないんだなーと分かった。

とにかく考えても仕方がないことに頭の資源を費やしているという印象が強い。頭の良い人なのにもったいないなと。ご本人も言及していたが、選択することに時間のかかるタイプとのこと。
脳みそってのは性能が良くても、その性能をどの分野に活かすかってのがそこまで器用に出来ているわけではないようで、人間の中には、たまにこういう非生産的な方向にエキスパートになってしまう人もいるのだなぁと感じた。

同年代なので、ちゃんと気をつけていないと、体のほうはだんだん不調なことが増えていくだろうし、そのこともネチネチと生について死について考えを巡らせてしまうことの原因になっている気がする。
サウナとか温泉とか入って血の巡りを良くしつつ、適度に運動してよく眠れば、生死とかに答えの出ない考えを巡らせてその思考の迷宮に遊ぶことも減るのでは…などと、思ってしまった。

とはいえ、なまじ頭が冴えていて、非常に論理的であり、考えを深めるだけの集中力もあるからこそ、思考の対象から離れられなくなるということなのかな、と理解は出来る。
ある意味、自分の凡人ぶりに安堵するというか…。

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