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メタへの異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて #MZM を愛するようになったか ~1周年ライブレポを添えて~

【お断り1】筆者は「ジョジ民」で「めぐるーまー」で「ディナー」で「メイト」で「朝ノ衆」で「バルス箱推し」です。従って、本文章には多分な偏見などが含まれます。また、本文章は筆者の個人的な見解・主張であり「VRonWEBMEDIA」「株式会社81plus」の意見・主張を代弁・代表するものではありません。
【お断り2】本文章には、VTuberにおける、いわゆる「中の人」(「魂」「演者」など)に言及する内容が含まれていますので、お読みになる前に予めご了承くださいますようお願いいたします。

序文

私、勢い余ってこんな記事を書いてしまいまして。

なんと言いますか、一応これでもニュースサイトの端くれとしておこがましくも2年ばかし編集責任者的な立ち位置で記事を書き連ねてきた身として、この記事はそれまで自分に課してきた「デッドライン」を、初めて意図的に踏み越えたものでした。

ニュースサイトというものを作っている以上、我々はある程度の「中立性」的な矜持を持っているべきだと思っています。だから、年末に書いた

この記事が自分という「立場」にできるギリギリのラインだと考えていたんですね。その割には九条林檎さんを「2019年のキーパーソン」を言い切っている時点ですでに中立性もクソもないんですけども。

でも、いても立ってもいられなくなっちゃったんです。

その思いを、上の記事で私がキーワードに掲げた「メタ」という言葉を軸に書き散らしてみようと思います。この溢れ出る思いをどうにかしたかったのです。お目汚しを……。

私にとっての「hero_」

私はインターネットという世界に身をおいてもう25年近くになる、いい年したオッサンであります。そんな私が、なぜ「MonsterZ MATE」にここまで思い入れているのか。
自分の中で答えははっきりしています。それは、彼ら二人に、私の人生における最大のヒーローの姿を重ね合わせているからです。

私が高校生の頃、板橋区にあるとある私立高校を卒業した二人の若者が、彗星のごとくテレビに登場しました。彼らはお笑いオーディション番組で何度かのチャレンジの末に10週勝ち抜いてチャンピオンになり、芸能界に進出します。しかし、最初は泣かず飛ばず。お正月の特番で有名タレントが華やかにかくし芸を披露する中、後ろの方でペンギンの着ぐるみを着せられてほとんど顔が出ない……などの屈辱を味わいます。苦汁をなめるとはまさにこのことと言わんばかりに、ブレイクの芽はなかなか花開きませんでした。

しかし、そんな苦闘の中でとある深夜番組のレギュラーを獲得したときから、彼らの快進撃は始まりました。ゴールデンタイムのドラマ主演を獲得し、レコードデビューしたと思えば出す曲がことごとく大ヒットを記録、夕方に放送されていたアイドル番組では彼らの個性が大爆発しさらに人気が沸騰、ついには「日本歌謡大賞」でお笑い芸人が大賞を受賞するという前人未到の快挙まで成し遂げてしまいます。

彼らがその半生をかけて作り上げてきたバラエティ番組の数々はどれも伝説級。今や日本の芸能界において伝説とも言える存在になり、他に比肩する芸人がまったく現れないほどの栄光を勝ち取ったのです。

彼らのコンビ名は「とんねるず」。
私が、MonsterZ MATEとの共通点を見出した、希代のコメディアンです。

バブル時代前夜の中で学歴社会が幅を効かせる中、団塊ジュニア世代としてどう考えてもわかりきっている戦争のような大学入試を控え、全くもってイケてない高校生活を送っていた私にとって、とんねるずのお二人はキラキラしていました。

「いったいどこにこんなに面白い人達がいたんだ!」っていうくらいに面白かったんです。
それまでの漫才師やコメディアンが全くもっていなかった、非常に新しいお笑いのメソッドをとんねるずのお二人は持っていました。しかも当時のハイブランドな服に身を包んだかと思えば自身のアパレルブランドまで立ち上げ、さらには歌を歌いだして大ヒットを連発するわけです。こんな芸人さんを見るのは生まれて初めてのことでした。
そんな彼らが最大の武器にしていたメソッドが「メタ」であることは、VRonの記事に書いたとおりです。

そして、ここで絶対に触れておかなければならないポイントがあります。
私は、幸運にも「とんねるず」のお二人が「ブレイクする前」を目撃することができたのです。

まだ彼らが「貴明&憲武」というコンビ名で「お笑いスター誕生」に出ていた時期を私はこの目で目撃し、その時点でこのお二人の「スゴさ」を体験することができました。今風に言えば「最古参ズラ」できる、ってヤツです。

そして、そのころの石橋さんと木梨さんは、ハッキリと苦闘していました。最初の方で書いた「ペンギンの着ぐるみ」という記述は、とんねるずの下積み時代を象徴し揶揄する初期の自虐ネタ、

「3年前は、ペンギンでした」

を指します。つまり、とんねるずのお二人は少なくとも3年以上に渡ってブレイク前夜の状態だった、と言えます。そして私はその「3年」を見守りながら、ずっと

「なんでこの人達は人気が出ないんだろう? こんなにおもしろいのに!」

と思っていました。

そう言えば……。私は以前

で、銀河アリスさんとMonsterZ MATEの皆さんについて

「こんなに丁寧でクッソ面白いコンテンツを作っていらっしゃるのになぜ人気がついてこないのか!」と首を傾げてしまうほどなのです。

と書きました。

そうです。私に去来したこのときの心境と、30年前の「貴明&憲武」を見ていたときの心境が、私の中で完全にシンクロしたのです。

伝説は「シュークリーム」から始まった

このことに気づいたとき、私は雷に打たれたかのようでした。
MZMの動画を掘れば掘るほど、そのどれもが面白く、かつ私の永遠のヒーローである「とんねるず」へのリスペクトがそこら中に散らばっているのですから、驚愕しないわけがありません。「なぜだ、なぜだ!」と。

ここで、ちょっと時計の針を巻き戻します。

私が初めてMonsterZ MATEを知ったきっかけは、「銀河アリス」さんのこの動画です。

アリスちゃんの銀河っぷりにも驚いたんですが、驚異的なモーキャプ技術にびっくりしてしまったのが去年の11月末くらい。
おいおい、このVTuberコンテンツを作っている「バルス」って凄いんじゃね? とアリスちゃんの動画を掘り始めた矢先……、運命のあの動画に出会います。

なんだこの二人は! めちゃくちゃ面白いじゃねーか!

しかも、これ「モジモジ君」の「激辛ワサビ入り寿司対決」じゃん! 待って待って、これは意図的なのか? たまたまなのか? ていうか、モーキャプのクオリティやばくねーかマジで!(混乱)

と大変混乱している最中に、

この動画で「謝罪動画」という爆弾を投下するMonsterZ MATEに度肝を抜かれ(しかもね、このときのコーサカさんの口調が石橋さんにそっくりなのよ……)、目の前でファン数が1万人を突破し狂喜乱舞するコメント欄に震え……

天開司の豪遊雑談 V紅白歌合戦打ち上げスペシャル
https://www.youtube.com/watch?v=EEvP2HXDlNk

この動画で泣くコーサカさんに、私はヤラれてしまいます。

そして……
ここでやっと私は彼らのことをくまなく調べるようになって初めて私は、

彼らの「中の人」の存在を知ることになるのです。

ニコニコから脈々と続いていた、彼らの「物語」

私はニコニコ動画(niconico)とは11年以上のお付き合いをしています。プレミアム会員も11年連続続けています。2008年から現在に至るまで、私は様々な形でniconicoと関わってきました。

だからね。

「高坂はしやん」さんのことも、「un:c」さんのことも、私はニコニコ動画で見知っていたんですよ。
はしやんさんがニコニコ超パーティに出演していたことも、un:cさんが「歌い手」の一人として活躍されていたことも。特にはしやんさんについては、私自身が元々ヒップホップ好きで、特に「らっぷびと」の大ファンだったこともあって、よく彼が登場する動画を見ていたんです。

その上で、MonsterZ MATEの二人は「中の人」をあえて公開している……。

そのことを知ってね、私は自分の不勉強を恥じると同時にね、目の前に突然10年近くもの長い長い「物語」がさああああああああ、っと姿を表したんですよ。

そうしたら、自然と涙が溢れてきましてね。
なぜだかわかんないんだけど、いろんなものがゴッチャになってしまって。

今、この二人は、昨年5月からの苦闘を経ていよいよ日の目を見ようとしているわけですよ。そしてその後ろには10年もの長いストーリーが横たわっていて、その上でコーサカさんは天開司さんの動画で泣きながら

「まだ俺ら何も成し遂げてないんすよ!」

って叫んでる。それを見たら、もう涙が止まらなくてね。

そこからの彼らの快進撃は、もはや痛快と表現する他ありませんでした。

そのままで、進むべき道を、ひたすらに

そして、5月18日を迎えました。

今回は取材ではなく「ファン」としてライブに行く。グッズも買うしサイリウムも振る。取材用の一眼レフは持っていかないし、バルスさんにもプレス申込みはしない。
そう心に誓い、私は池袋HUMAXシネマズの座席に座り……

そして、会場前に突然再生された動画を見て、実はもう涙を抑えるのに必死でした。

あの、私実は、

の取材を通して、バルスの林さんや多久和さんとご挨拶してるんです。しかもライブ当日にも多久和さんからご丁寧にご挨拶を頂いているわけですよ。

こんなに愛情が溢れまくった、ド直球ストレートの「内輪ウケ」ネタを、このタイミングで投下するんかーい! は、は、「ハロウィン合コン」!!

最高としか言いようがないやろー!!

そう泣きながらこのツイートをして、あとはもう、至高の一時としかいいようのない時間を過ごさせていただきました。
本当に、ありがとうございます。

ラスト1曲。銀テープの特効で会場が包まれる中始まった「Live Your Life!」。スクリーンを彩っていたはずのパーティクルが一切表示されないのを見て、あああ、MZMの二人は己の身一つで勝負しているんだ、その真摯で真っ直ぐな情熱に胸を撃ち抜かれました。

この言葉を聞いて、私は改めて確信しました。
MonsterZ MATEのお二人は、今の私にとっての「hero_」です。だからこそ全幅の信頼をおいて、私が出来うる限りの応援をできればと思います。

私が30年前に胸焦がれたあの思いを、お二人によって、30年の時を経て再び追体験させて頂くことができました。これだけでも全力で推していく意味が私にはあります。
そして、お二人にはMonsterZ MATEとしての物語と、その物語のはるか向こうで10年もの悠久の時を経たもう一つの物語の2つが折り重なっていることも、私は忘れずにいようと強く思います。

どうか、そのままで、お二人のなさりたいことをするために、ひたすらに突き進んでください。そして、お二人が紡ぎ出す今の「メタ」を、ぜひ追求なさってください。

それが、いい年したオッサンからの、ささやかなエールです。