日本語の理解に一役買うおすすめの本
今週は夏季休暇という方も多そうですね。
DONGURIも同様で、僕もほぼ休みです。
お盆なので帰省してお墓参りをしたかったのですが、コロナの影響もまだまだ強いため、今年は帰省しないことにしました。
外に出る気にもなれず家でゴロゴロしているので、季節が夏だということをあまり実感できていません。
せっかくの夏季休暇なので「何かやらねば!」と心を奮い立たせてはみたものの、やる気が出ない今日この頃。
そして、「そうだ note 書こう」という流れになったわけです。
前々回の最後に、次はおすすめの本でもなんて書いておきながら、その翌日に文脈を無視して詩と星座について書いてしまったので、今回は前々回の流れを踏襲しつつ、おすすめの本を紹介したいと思います。
前置きが長くなってしまったので、さっそくいきましょう。
今回、僕がおすすめしたい本はこちら。
「いやいや、おまえ日本人ちゃうんか?」そんな声が聞こえてきそう。
そうです。僕は生粋の日本人です。
ではなぜこの本をおすすめしたいのかというと、ただ一点。
自分が日常で使っている日本語を問い直すきっかけになったから。
「せやかてくど…」(コナン参照)
「皆まで言うな!」
言いたいことはわかります(本当はわかっていない)。
このnoteという場所にいる皆さんは、ご自身で記事を執筆し公開している人が多いと思います。
そうであれば、今までに「○○○な文章術」や「言葉の○○○」など、文章の書き方や言葉の使い方について書かれた本、あるいはブログ記事をいくつか読んできたのではないでしょうか?
僕の家にも15冊前後、そういった本があります。
以下のようなことを知りたければ、それらの本はとても役に立ちます。
実際に僕もたくさん助けてもらいましたし、勉強させてもらいました。
例)
・短い文章で自分の伝えたいことを伝えられるようになる方法
・フックのある文章で読む人を惹きつける方法
・顧客や商品の特性を差別化して伝えるためのコピーの作り方
・読んだ人の心を動かす文章の書き方
など。
しかし、これには前提があるのではないかと、ある日気づいてしまったのです。
それは〝日本語の基礎力を身につけているかどうか〟ということ。
言葉に関してよく扱われる例で、「ら抜き言葉」と呼ばれるものがあります。
例)
・食べれる
・見れる
すでに一般化しているので、何が間違っているのかがわからないという人もいるかもしれません。
本来であれば以下が正式な日本語とされています。
・食べれる → 食べられる
・見れる → 見られる
テレビの街頭インタビューなどで「食べれる」と発音されていても、テロップでは「食べられる」と表記されることがほとんどです。
「食べれる」「見れる」といった動詞の活用について、『日本語スタイルガイド第3版』では以下のように説明されています。
「れる」は、五段活用とサ行変格活用の動詞に接続し、「られる」は、その他の活用の動詞に接続する。可能の意味で会話などでは、「見れる」、「着れる」、「食べれる」などが使われることがある。しかしこれらは、上一段活用や下一段活用の動詞に「られる」ではなく「れる」を付けたものであり、実用文での使用は不適当であるとされている。
忘れてしまっている人がほとんどだと思いますが、五段活用、サ行変格活用、上一段活用、下一段活用は、国語ですでに学習しているはずです。
(僕は「ら抜き言葉」への違和感は持ちつつも、動詞の活用まできちんと理解していませんでした……。)
動詞の活用までいくと話が大きくなってしまいますが、普段から当たり前のものとして「ら抜き言葉」を多用している人が意識をせず(こういったことを知らずに)、お客様へ提出する書類や、社内用の資料を作成していたらどうでしょう?
たった一文字、入れるか入れないかで評価が変わる可能性があります。
広告表現でのコピーや脚本などを考える場合においても同様だと思います。
知っている上であえて、ターゲット層にとって自然な形として「ら抜き言葉」を使用するのか、知らないで必然的にその表現になってしまうのかでは、説得力に大きな差が出てくるでしょう。
言葉は時代とともに変化するものである。そう考えるのであれば、いずれ教科書や実用書に記載される文章が「○○を食べれる」と表記される時代が来るかもしれませんが、現時点では正しい日本語ではないということです。
少なくとも違和感を覚える人がいる可能性について、意識しておくことが大切です。
上記の例は『日本語スタイルガイド第3版』のかなり序盤で出てきます。
「ら抜き言葉」のほかにも日本語で文章を書くときに覚えておいて損はないどころか、得しかないであろうことが数多く書かれており、幅広く応用できる本だと思います。
全てを挙げるのは難しいのですが、『日本語スタイルガイド第3版』を読むことで以下の事柄への理解が深まります。
・文章の構成単位
・品詞(名詞、動詞、形容詞、助詞など)の種類と働き
・算用数字と漢数字の使い分け
・助詞の正しい使い方
・誤解されない文章の書き方
・読み手の知識、意識への配慮
・翻訳しやすい日本語の表現
・文章の構造化
などなど。
『日本語スタイルガイド第3版』は実用文向けの本なので、ビジネスの提案書や何かの手順書を作成する際に役立ちますし、学生の方であればレポートや小論文、就職活動のときに履歴書の自己PR文章を書く場面などでも役立つかもしれません。
小説やエッセイを書きたいという方にとっても、日本語の基礎力向上によって表現の幅が広がる可能性がありますので、おすすめしたい一冊です。
長くなってしまったので、今回はここまで。
次はどんなことを書こうか考えながらPCを閉じます。
お時間があればまた遊びに来てください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?