ライフプラン② ”目的”と”理由/手段”を区別しよう
前回の復習!
前回の記事
「ライフプランはFACTに基づいて作らないと意味なし」という内容です。
以下、簡単に復習です。
①とにかく主観を排して、極力客観的につくろう
②できあがった現状ライフプランから逃げずに、現在地を理解しよう
③現在地と理想のGAPを把握しよう
④GAPをどう埋めていくのか?を検討しよう
「主観を極力排して現在地と未来を定量化しよう」
=
「とにかくFACTが大切です」
☆現状を正しく認識しないと、その先の話が意味を持ちません☆
というような内容を執筆をしました。
復習は以上です。
では本題。
1.そもそもなんでライフプランってつくるの?
この記事を読んでいる人は、少なからず自分のライフプランに興味がある人なはずです。
ライフプランをつくる理由は、多々あるように思いますよね?
1.不安対象を確認するために「ぼく/わたしって将来どう?」と知りたい
2.安心材料を得るために「ぼく/わたしって将来どう?」と知りたい
3.必要保障額を算定したいので、その金額を見える化したい
4.どこまでが余裕資産で、いくらまでリスクの高い商品を買っていいの?
5.一番お金がかかる時期・一番残高が減る時期はいつだろう
6.家が欲しいけど、返比とか理屈抜きにいくらくらいが適正なんだろう?
7.このままいくと奨学金ナシで子どもを私大理系修士まではムリかな…
8.死ぬまでキャッシュが持つのかめっちゃ不安です…
9.定年までにいくら貯めればいいのよ…
10.どうしてもやりたいことがあるけど、このままで実行できるのかな…
11.相続が大変そうだから、前もって現在の資産を確認したい
12.うちは2000万円溜められるのかな…
その他諸々…
ライフプランをつくる理由は、本当に種々多様です。
あまり詳細には書けませんが、
「え!そんな理由もあったか!」
ということが実務では多々あります。
2.”目的”と”理由”を明確に区別しよう
本稿での定義
・理由=ある行為を行う際の背景となる事象
・目的=ある行為をに行う際にそれ以上遡ることのできない動機
あ!池宮はバカだ!
「上の事例のことを理由って言ってる!」
と気づいた人はさすがですね。
1.で挙げた例は、理由であり目的ではありません。
①解決したい課題があって、その答えを知りたい
⇒ライフプランが「どう解決すべきなのか」手段を教えてくれるかも
②理由はよくわからないけど、とりあえず知りたい
⇒ライフプランが「知りたいこと」を教えてくれるかも
上記事例は、この二つ又は両方に必ず分類されます。
でも、これらは理由であって、目的ではないんですね。
理由=手段、と言い換えてもいいでしょう。
①解決したい課題があって、その理由を知りたい
⇒解決してどういう状況になればいいの?
⇒答えを知ってどうしたいの?
②理由はよくわからないけど、とりあえず知りたい
⇒知ってどうしたいの?
といった具合に落とし込んだものが目的です。
以下、余談。
余談①
なぜ?なんで?So What?ってダメらしい…
・「え?なんで?」
・「え?なんでそうおもうの?」
・「なんでそうしたのか教えてくれない?」
・「本当にそうかな?オレは○○だと思うけどどうかな?」
・「意図がわからないから意図教えてくれない?」
わたしはこういう質問を自社の社員に対してめちゃめちゃします。
少しでもFACTに近づきたいからです。
でもこれ詰めてるって受け取られるんですね…。
最近知りました。
3.理由/手段は通常一つじゃないから厄介
話は変わりますが、故クリステンセンをご存知でしょうか?
『イノベーションのジレンマ』を執筆したHBSの教授です。
クリステンセンは、晩年「片付けるべきジョブ」理論を提唱しました。
おそろしく簡単に言えば、下記のとおりです。
人間は片付けるべきジョブ=課題
を
解決するために何かを雇用する
提唱したジョブ理論的を当てはめると…
”課題を解決するため/答えを知るために理由/手段を雇う”
となり、それはそれでもちろん何の問題ありません。
他方で、ジョブ理論で片付けられない問題が1点あります。
人間には、通常目的を達成するための手段がいくつか用意されています。
人間はビックリするくらい弱い生き物です。
”目的”と”理由”を混合すると、「現在の自分」にとって都合のいいことをします。
さらに、”理由/手段”がいくつも用意されていると、最短ルートを選びがちです。
そして、その選択を往々にしてミスします。
4.人間の本質を見つめよう
繰り返します。
人間はビックリするくらい弱い生き物です。
どうしても「これこれこういう理由だから」と考えがちなんですよね。
そして大抵の人は「理由」に流され「目的」を見失う。
あるいは「理由」に適合する新たな「目的」で納得するフリをする。
上掲とおり、人間がかわいがるのは大抵が「現在の自分」です。
それで中長期に渡ってキャッシュ・フローが拘束されると挽回が難しい。
例:住宅ローン、当初解約返戻率が著しく低い保険などなど
法人の事業計画・個人のライフプラン策定支援を多々こなすなかで、
”理由”の背景にはほぼ間違いなく”目的”が存在すると気づきました。
表面的な理由の背景に目的があって、
⇒その目的に向けて”準備をしたい”
⇒不安なのを知って、本当はその上で”何か対策を打ちたい
その”目的”を達成したいのであれば、”理由”は何でもいいんです。
なので、”目的”と”理由”は明確に分離すべきなのです。
5.簡単なまとめ
あまりライフプランと関係ない話にみえますよね?
でもかなり関係あります。
やはりその場その場で流されてしまうと、会社も個人もうまくいかない。
「手段を確認」するのではなく、「どういう手段で目的を達成しようか?」
こう考えるのが正解です。
土台が”FACT”でその上に”明確な目的意識”があれば、もう大丈夫。
あなたはもうライフプランを使えます。
ライフプランに使われる、のではなくライフプランを使えます。
世界中の全員が自分で自分の人生をコントロールすることで、
みんながえがおで暮らせるようにえがおラボは考え続けます。
また長くなってしまいました…。
次回は”目的”と”理由”を改めて見つめます。