メンタルが弱すぎる新入社員(22)の苦悩

「頭では十分理解している。けど。自分自身をコントロールできない。」

入社から2ヵ月、私が会社で毎日感じていることだ。


両親いわく、私の性格を一言で表すと繊細だそうだ。私自身もそう思う。

繊細と言うと、音楽家や画家など、感受性豊かで才能に溢れた人をイメージされるかもしれない。しかし、私の「繊細」とは、何事にも過剰に反応してしまうという厄介なものだ。音や光などの外的なものに加え、人からの小さな指摘に過度に落ち込むなど、内面的にもである。

だから、飛び込み営業をしている友人が、お客さんから罵声を浴びさせられ、会社にガンガンクレームを入れられても、「うるせーな」と強気な態度でいれることを目にして、心底羨ましく感じてしまう。


こんな性格なので会社で起こることにも、いちいち過度に反応してしまう。

6月からテレアポの営業が始まった。リストを渡され、「とりあえずかけてみてね」と上司に言われた。震える手で恐る恐るダイアルを回した。「出るな、出るな!」心の中で何度もつぶやいた。しかし、そんな期待とは裏腹に相手の人が電話に出た。頭が真っ白になり、しばらくの沈黙の後、先輩からもらったスクリプトを読み上げた。しかし、商品の知識も乏しいため、自分でも何を話しているか分からなくなり、「要件がないのに、電話なんかかけるな」と怒られてしまった。

体全体が重くなり、震えているが分かった。

頭では落ち込むことではない、と分かっていた。

「今日が初めてのテレアポじゃん」「営業なんて断られることが常で、自分だって知らない人からセールスの電話きたら、すぐ切るじゃん」「上司だって新人に数字を求めているわけじゃないし」

そうやって自分で自分を慰めた。しかし自分をコントロールできない。体は震え、ため息をついていた。

そんな自分に気付いたのか、周りの優しい先輩が「今日は別のことしたら?」と声をかけてくれた。情けなかった。


追い打ちをかけるように、他の人の些細な言葉にも強く反応してしまう。

先輩に仕事を教わっていると、同期が「これ研修で習ったやつじゃない?」と言ってきた。「研修を全部覚えていることは不可だろう」と思いながらも、自分はそんなことも忘れてしまう無能人間なのか、と思ってしまう。

先輩宛ての書類を机に置こうした時に、「〇〇さんのデスクはどこですか」と聞いたら、機嫌悪そうな女の先輩に「ココ」と冷たく指をさされてしまい、辛くなってしまった。

今こうして文章にしてみると、本当に些細なことだし、大して気にすることではない。頭では理解しているつもりだ。しかし、どうしても強く反応してしまい、苦しくなってしまう。


その日の帰り、自分の情けなさと、これからどうなってしまうんだろうという不安から、駅で泣いてしまった。セカセカと歩く仕事帰りの人を見ると、自分を責めているのではないか、とまで思ってしまった。


私の職場は、先輩に仕事を聞けば優しく教えてくれるし、上司も定時になれば帰らせてくれる恵まれた環境にある。しかし、私自分で自分を追い詰めてしまう。情けなかった。


今は辛いけど、1日1日を懸命に生きるしかないと思う。

いつか、「この辛い日々があったからこそ今の自分がある」と思えるようにしたい。その日まで頑張ろう。









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