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つらつら日記~「帝王学」講義~
1 要点
(1) リーダーとは、能力と徳をもち、実績を積んだ人を指す。
(2) 能力とは、洞察力(智)と決断力(勇)である。
(3) 徳とは、仁・信・謙・寛・義である。
(4) 仁とは、人を大切にする思想。
(5) 信とは、約束を必ず守ること。
(6) 謙とは、人と争わないこと。
(7) 寛とは、許すこと。清濁併せ飲む度量。
(8) 義とは、人として踏み行わなければならない道。(人道)
2 本書の紹介
著書名:「帝王学」講義/著者:守屋 洋
(1)本書の構成
・本書は、中国古典である「貞観政要」、「書経」と「韓非子」を参考文献として、リーダーの心構えとリーダーの条件を説明している。
・序章でリーダーの条件(能力と徳)を示し、第一章~第三章にかけて、「貞観政要」、「書経」と「韓非子」を参考にリーダーの条件の具体的な中身を示している。
(2)本書の内容
・リーダーの条件とは、能力と徳である。筆者は、このうち能力は最低限の話として、主に徳が大事であるとしている。要点に書いた(4)~(8)がそれである。
・ただし、(4)~(7)については、注意点もある。
・仁(思いやり)がありすぎると八方美人となり、決断ができなくなる。また、目の前の小さな同情に引かれて大局を見失うこともまた問題だとしている。
・信については、何でも安請け合いしてはいけないと厳しくとがめている。守れない約束はしてはいけない。
・謙(人と争わない)が過剰になった場合、卑屈となる。なんにでも謝罪してはいけない。間違っていたら謝罪は当然だが、悪くないことに対して謝る必要は全くない。本書では、次のとおり理想的な謙について述べられている。
理想 は、「 自信 を 持っ て、 謙虚 に」、 あるいは「 毅然 と し て おり ながら、 謙虚 に」、 この レベル を めざし たい。
・寛(許すこと)が過ぎれば、なれ合いが生じる。ダメなものはダメという厳しさも必要である。
「寛 に し て 畏れ られ、 厳 に し て 愛せ ら る」( 張 詠)
3 感想
「帝王学」講義と聞くと、「帝王?また前時代的な…」と馬鹿なことを考えていたが、本書を読んで、「帝王学。すげー」となった。それだけ、本書で紹介されている「帝王学」=「リーダーの条件や心構え」が、現代に大切なことを教えてくれるものだとわかったのだ。
そして、これは、リーダーだけでなく、私の心構えにもなることに気が付いた。特に、「毅然としておりながら、謙虚に」や「寛にして畏れられ、厳にして愛せらる」といった心構えは、これからの仕事や生活の指針にしている。(まだまだ、不十分ではあるが…)
なので、私は本書をリーダーだけでなくあらゆる人に読んでもらいたいと思った。後悔はしないことを受けあえるだけの内容だからだ。少しでも興味がわいたら読んでみてほしい。