10年ぶりの上映祭〜タイムカプセル〜
2020年10月24日(土曜日)
千葉県千葉市生涯学習センター 地下一階 小ホールにて
「未来の上映会」 参加無料・7回上映。各回完全入替制。
詳細はこちらで
https://www.information-design-office-hiro.com/event-details/theater-of-the-future-mirainojoeikai
ここ10年間、居心地の良い森の中でお年寄りに囲まれて合唱したり、花木をめでたり、移りゆく季節を味わったり...そんなことで自分の人生は十分じゃないかと思っていました。お酒もタバコもやめて、生活に張りが出てきました。イベントごとに心を煩わせることなく、自分を見つめたり、読書をしたり、好きな映画に浸ったりして過ごしました。パンを焼く趣味も覚えました。老いていく両親を見るのは辛いと同時に幸せであることにも気づきました。
そうして月日は流れました。
ところが心を揺さぶられる出来事が起きました。それはコロナウイルスという得体の知れない脅威です。今まで背を向けたあの頃の友達、そうポートスクエアやインターネットラジオで知り合えたアーティストたちはどうしているのだろうか?とても心配になりました。そして一人一人に声をかけていきました。
「コロナで気持ちが塞いだり、希望を失っている人々に何かできないか」そんな思いでいた頃、八千代市の東葉高速鉄道やシティプロモーションの方々と「車両まつり」をどうにかしようという話がおきました。八千代商工会議所も加わっていよいよ何か始まるのか?と期待しましたが、やはりまだ期は熟してはいませんでした。それでもこちらは今でも進行中です。八千代市の教育委員会さんとも話を進めています。
そして千葉市の教育委員会さんと話を進めることができ、今回のイベントが成立しました。
山崎直子さんは千葉県松戸の出身の宇宙飛行士。彼女の著作「瑠璃色の星」をもとに私たちカモミールの森が作ったデジタル紙芝居を今回上映します。
カモミールの森って何ですか?よくそんな質問を受けます。
僕は趣味のサイクリングで新川のサイクリングロードを稲毛海岸まで行って帰ってくる、ことをよくしていました。
ある日、同じ道ばかりではつまらないのでちょっと川から外れた道を行ってみようとこてはしのあたりをうろうろしていました。
するとデジタル紙芝居「アラジン」に出てくる子犬のポチと子猫のミーと小猿のウッキーが座っていそうな可愛い切り株があったのです。
失礼、これらのキャラクターたちは千葉ポートスクエアのイベントで僕が最初に作った完全オリジナルのストーリー「アラジン」のデジタル紙芝居です。キャラクターデザインは「しげる」さん、エンディングテーマはmaki(現安里麻紀さん)の「Over」、声の出演は「マロン」「まなみ」そして「ひろ」こと山本です。ビデオにする前は生アフレコでやったこともあり、その際は「郁枝」さんにもご協力をいただきました。この作品は稚拙ながら僕にとって最初のデジタル紙芝居。とても思い入れのあるものでした。
千葉ポートスクエアのイベントはトータルで6年も続いたものでした。それが主催の都合で突然中止になり、僕は魂が抜けたようになりました。それで一人でインターネットラジオをはじめました。予算も何もなく、ただただ3年間、アーティストにインタビューを続けました。東京から電車と、勝田台のバスを乗り継いで訪れてくれた例えば畑中摩美さんや、イエティさん、ラブアタックイブの松山トオルさんがいました。無償で楽曲を提供してくださった、高内春彦さん、石川寛子さん、寺原太郎さん、鈴木美奈子さん、あのまりあ さん、その他書き切れないほど多くの方々。石井祐介さんもオープングテーマ「サンクチュアリ」を提供してくださいました。
それも力尽きた頃、あの切り株に出会ったのです。僕は自転車を止めて切り株に腰掛け、水を飲んでいました。アラジンを作った頃の自分や協力してくれた人たちのことを思い出していました。
「あなた、どなた?」と不審そうに僕に声をかける女性が。そう、多田さんです。この土地は個人宅のお庭だったのです。「すいません、サイクリングの途中、ちょっと休ませて頂いてました。この切り株、可愛いですね。まるで森の学校みたい。」すると多田さんは「あら、実際そうなのよ。子供たち集めてそんなことしていたの。」その後、話が弾み、何かやりたいことがあればこの庭を使って良いよ、って話になりました。カモミールの森という名はこの時、多田さんがお土産にくれたお庭のカモミールの束から来ています。
僕は心のどこかでそういうことに飢えていたのかも知れません。Twitterで知り合った佐藤太紀さんをはじめとする東大宇宙研の有志の方、東京情報大学の有志の方、千葉大ジャグリングチームPossumの有志の方。みんなでワークショップをやりました。GPSハイキング、ダチョウを探せ、日時計工作、ジャグリング体験、竹工作 ...そして僕も個人で何か作ってみたくなりました。その頃、ワークショップ関係の本を千葉県立中央図書館であさりまくってたら職員の方から山崎直子さんの「瑠璃色の星」を勧められました。読んでみたらとても励まされ、当時ちょうど興味を持ちはじめた生物多様性にまで言及していた彼女のこの著作に惹かれました。
そのころの様子を綴ったノートはこちらhttps://note.com/hiro_yamaneko/n/nea61fdcb393a
2011年JAXAを通じて山崎直子さんから使用許可を得ました。
ポートスクエアやインターネットラジオ時代に知り合った方々に再び楽曲の提供や、写真の提供を呼びかけ完成したのがこの「瑠璃色の星」です。僕らのデジタル表現はちょっと古臭いかも知れません。でもこんな思いがいっぱい詰まった作品です。また山崎直子さんの著作は普遍的であり、十年経ってもなんの輝きも失っていないことに驚きと畏敬の念さえ抱きます。
この作品を再び「今」上映するのは、あの時落ち込んでいた自分が励まされたように、みんなにもこの作品を見て欲しいと思ったからです。コロナは大人も子供も関係なく暗い影を世界中に落としています。
こんな時代だからこそ、この作品を見て欲しいのです。
励まされる、だけではないと思います。
何を感じるかは、それぞれでいいと思います。
2020再上映に関し、山崎直子さんの秘書の方やJAXAとも再び確認を済ませました。
悲しい出来事もありました。写真を提供くださった植村正春さんが今年3月急逝なされました。また同じく写真を提供くださった北海道十勝の大自然を舞台に写真を撮りづづけた平成の坂本直行こと写真愛好家の「こぐま クラブ」さんも2年前に亡くなられていたことを電話で奥様から聞いて知りました。
全くの私事ですが、自分のことにかまけていて何の相談にも乗ってあげられなかった昨年虚血性心疾患で突然死した松戸の妹にも見て欲しかった。この3人への追悼の気持ちもあります。
どうかお時間が許せば、この「過去から来た未来の上映会」へのご参加を、スタッフ一同、心からお待ちしております。
https://is.gd/9Wykt2
カモミールの森 広報 山本博志
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