英語を学び直したい人のための「ちょいと使える英語 Vol.6」

今回は “My name is Bond, James Bond.”

これは映画007シリーズで、ジェームズ・ボンドが初対面の相手に対する自己紹介で使うフレーズです。
たいていは“My name is Tim.”とか”My name is Jenny”というようにファースト・ネームで名乗ると思います。では、なぜボンドは”My name is James.”と名乗らないのか? これは私の勝手な解釈ですが、そこには2つの理由があります。

1つ目は、ボンドはイギリスの諜報機関の一員で、任務中でもタキシードを着ているのが多いことから英国紳士という設定であることがわかります。アメリカ人のような気安さを初対面から出さず、礼儀と格式をもって接する姿勢が、姓を名乗ることにつながっているのかもしれません。

もう一つの理由は、ボンドが相対するのはたいてい敵であること。ファースト・ネームで呼ぶのは、ある程度近い間柄か、少なくとも敵対関係ではない場合です。映画の中で敵役が”Mr. Bond“(吹き替えでは「ボンド君」)と呼ぶ一方で、ボンド・ガールは“James..”(「じぇーむずぅ~♡」)と呼ぶ理由はここにあります。

では、私たちが名乗る場合にどうすればいいのか?
・友人、プライベートな知り合いならファースト・ネーム       

・仕事の付き合いでもファースト・ネーム

打合せの冒頭での挨拶の際は、“My name is James.”とか”I’m James.”とか単に”James“とだけ名乗るか、“James Bond”とフルネームを名乗るかのいずれか。私は、姓だけを名乗られた記憶はありません。
ちなみに、打合せの冒頭に名刺交換する習慣は欧米にはありません。もし、相手が名刺を出してきたら、それは日本の習慣に合わせてくれているということです。名刺(Business Card)は、「今後、何かあったらここに連絡して」という感じで打合せの最後に渡すことが多いですね。彼らにとっては、名刺というのは連絡先が書いてあるただの紙っぺらですから、ありがたく両手で受け取る習慣もありません。片手で渡して、片手で受け取る感じです。下手をすると、テーブルの端から片手で滑り飛ばしてくる輩もいます。名刺をくれなかったら、“May I have your business card ?”と言えば、くれるでしょう。

ちなみに、私のファースト・ネームはHiroshiですが、外国の人に対してはHiroと呼んでくれと言ってます。別にカッコつけてる訳ではなく、Hiroshiというのは英語圏の人にとっては覚えにくいのです。マサヨシとかカズヒコとかヒサコとか母音+子音のペアがやたらに多い単語は英語にはあまりないので一度で覚えるのは難儀なのです。母音を2つ程度に抑えた愛称を自分で作るといいですね。

そうそう、JimmyもTimもAngieも正式な名前ではなくて愛称です。新しい米国大統領バイデンのファースト・ネーム「ジョー」も愛称。名前の話は深いので、また今度。


いいなと思ったら応援しよう!