逃げ切り計算 <FIREのゴール>
リタイヤを考えるとき、殆どの方がこのような計算をすると思います。
「自分は後60年位は生きるし、これまで使ってきたからこれからも年平均400万使うとして・・・」
ここに資産運用の収入や年金、また老後の支出減少を見込んで、資産5000万未満だとキツイとか、1億あれば余裕とかなってきます。
FIREムーブメントではより具体的で「年間支出の25倍の資産を築き、年利4%の利回りで運用していく」と算出されています。年に400万使うなら1億円…確かに、これなら大丈夫そうです(^^;
・節約と資産額
資産を幾ら貯めれば、リタイヤ出来るか? または、資産が幾らあったら、何歳まで大丈夫か?
いわゆる「逃げ切り計算」というものですが、ググって出て来る計算式は、上の25倍、4%に沿ったある意味、安全な平均値のシュミレーションです。貯めなくてはならない資産額だけ考えるなら、もう少し楽天的に考えても良いかと思います。
リタイヤ生活において、節約というのは、思ったほど難しいものではありません。生活支出の大部分である活動費(交際費、交通費、外食費、場合によっては住居費も)が、自動的に激減するからです。
私の場合(派手な生活を送っていた)現役時代と比較し、なんだかんだで支出は6割減しています。
支出が少なければ、分子や減数が小さくなります。計算の解に、余裕が出来たり、長くなったりしていくわけです。
・メンタルと覚悟
一方で、覚悟も必要になります。
証券口座開設の際に、確認があると思いますが…そもそも(特に株式による)資産運用というのは、減っても諦めの付く余裕資金でやるものです。
ところが、FIREムーブメント等は資産の全力運用が基本になっています。
平時なら何の問題も起こりませんが、株式にせよ、不動産にせよ、長い年月の間には、トレンドがあり、暴落局面が必ずあります。その時、含み損になるのか、利益遺失になるのかは分かりませんが、大きな損失を目の当たりにする覚悟は絶対に必要です。
ここで我を失い、流されてしまうと、分母となる資産を大きく毀損してしまう。これが資産運用の一番の難所だと思っています。
暴落時には、狼狽売りに耐えるメンタルと、トレンド変化に対応していく技術が求められます。そのためには常日頃から、暴落を覚悟しておくこと。そして、どうするのか決めておくことが大切だと思っています。
・減っていく不安を無くす!
人其々なのかも知れませんが、幾らあろうが資産が徐々に減っていくのは不安なもの…です。
リタイヤすると、資産が減らないようキャッシュフロー(収入≧支出)をプラス化し、出来るだけそのまま(または増やしつつ)資産を先送りしようと考える方は、私の他にも、少なくないと思っています。
ですが、多くの場合、運用リターンとリスクはイコールです。資産運用の比率が高ければ高いほど、資産が傷つくリスクも増してしまいます。
なので是非、FIREをお考えの方には、資産に頼らない収入を得て欲しいと思っています。ユーチューブやブログというのは、理想的だと思いますし、私のように事業を行うも良し。手間を掛けたくなければ、短時間の労働(サイドFIRE)でも構わないと思います。
・FIREのゴール
25倍の資産を築くことだけが、FIREのゴールではありません。
FIREを果たした後も、収入を増やし、生活を充実させながら、更なる資産形成と防衛に励む。
そして収入が増えたり、更なる資産形成がはかれれば「逃げ切り計算」はどんどん先送りされていきます。
人間の最長寿命は医学的には130歳だそうです。それは極論として100歳を超えれば「大往生」と言えるでしょう。その域に達すると「健康で」というワードがとても重要な気がしますが…それはとにかく、資金の上では100歳が区切りというか目標になると思います。
100歳まで生きて、100歳まで資産が足りる解が出たなら、もうこの計算は不要でしょう。
「逃げ切り計算」が事実上無効になったときこそ、真の経済的独立、おカネの心配からの解放を果たせます。
FIREの真のゴールはここにあると、私は思っています。