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美しき女性ランナーたち

 日曜日の朝だったからか、今朝、川筋を走っているランナーたちの半分が女性だった。もしかしたら、半分以上が女性だったかもしれない。なかには小型犬に伴走させている方もいて、思わず、頬をゆるめながら見送っていた。

 男もそうだが、女性の大半の方が本気である。本格的なユニフォーム姿で走っている。若い方たちが多いが、中年過ぎたかたも見受ける。日曜日の今朝は、とりわけランナーが多かった。どなたもが、真剣なので、背後から足音が聞こえてくると無意識のうちに道を譲ったほどである。

 新型コロナウイルスが猖獗をきわめる前、ぼくが勤めていた会社にはランナーがたくさんいた。なかにはセミプロなみのタイムで42.195キロを走る猛者もいた。彼はともかくとして、走るのが、一種、流行でもあった。

 20代のなかば、ぼくもふえはじめた体重をなんとかしようと、夜、走った時期がある。中学時代は、短距離とはいえ、陸上部だったから走るのに抵抗はなかった。だが、時すでに遅く、10代のころのようには軽快に走れない。ドスドスドス……といった走りである。とりわけ、商店のシャッターが、横で激しく揺れるのがつらく、すぐに投げ出してしまった。

 いま、毎朝見かける川筋のランナーにはかなりのご高齢の方も少なくない。しかも、皆さん、ゼエゼエいいがらめいっぱい走っている。となりと会話を交わしながらのジョギングなど、皆無ではないだろが、見たことがない。せいぜい、男女のカップルが女性に合わせた速度でいく程度だ。

 来年、80歳になるぼくは、散歩でちょっと早歩きをしたくらいで、腰や膝を痛めてしまう。休みの朝にふえた女性ランナーの皆さんはどなたも自分なりの速さで走っていて、総じて美しい。

 どうも、男は、「負けまい」とするのか、体力のギリギリまで走るせいか、不意に姿を見かけなくなる。ランニングの世界でも女性の時代なのかもしれない。

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