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ドジなミドリガメたち
去年はあまり気にならずにいたミドリガメことミシシッピアカミミガメがやたら目につく。ほとんどが、20センチをこえた大きさである。これも、川からカルガモが消えてしまったからだろうか。
飼っていても、10センチをこえてくると、かわいさを感じなくなり、また、手に負えなくなってしまう。それに飽きてしまうというころあいでもある。そして、捨てられる。
捨てられたミドリガメたちはこの川で成長する。30センチ級の甲羅を持つヤツもいる。散歩のたびに、甲羅干しをしているミドリガメたちを見ていると、だんだん愛着が湧いてくる。まるで、日課のように甲羅干しをしている習性の理由はわからないし、もしかしたら、この季節の特徴なのかもしれない。
その目が愛らしい。半眼で世間を見ている。もっとも、ミドリガメばかりでないだろう。カメはたいてい、いつも半眼のような気がする。視力が弱いように思えてしまうが、これはぼくの勝手な思い込みであろう。
もうひとつ、この川のミドリガメにはドジなヤツが多い。今朝は4、5匹のミドリガメが、川からはい上がり、日光浴をしていたのに、3匹が川の中に転げ落ちるのを見た。「あれ、なんで逃げるのだろう?」と思っていたらまた上がってきた。単に滑り落ちただけらしい。
石やコンクリートの塊の上だけではなく、今朝は枯れたアシの上で眠そうな顔をして休んでいるヤツもいた。このカメたちが自分たちのエサ場のテリトリーを作るのかどうかしらないが、500メートルとない川筋で目にできる数匹のミドリガメである。
きっと、この川は、おびただしい数のミドリガメを抱えているはずだ。川の上空を、米軍の横田基地へ向かう定期便の飛行機が飛んでいく。いまだに、日本ではわがもの顔でいるあいつら進駐軍より、アメリカ合衆国という故郷を同じくするミシシッピアカミミガメのほうがドジな分、かわいく思えてくる。