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ぜいたくな悩みと知りつつも
きょうは8月12日の月曜日——なんだか知らないが休日らしい。いつのころからか、8月に祭日ができたからというわけではなく、2、3日前から、「身体の時制」ともいうべき機能にズレが生じてしまった。
何度となく、「きょうは12日だ。13日ではないぞ!」といいきかせている。こんな錯覚ははじめてだ。10日の土曜日になったときは、まだ金曜日だと錯覚してた。そのあたりから、時制が狂いはじめた。いま、こうしていても、きょうが13日に思えてならない。
会社勤めをしていたころにも、そうした錯覚はときどきあった。しかし、修正は容易だった。1週間の月曜日から金曜日まで、そのうち、決められていた時間にしたがって働いていたからだ。就職したばかりのころは、なかなか身体になじめない人もいたらしいが、ぼくはすぐに受け入れていた。
むしろ、リタイアしてからのほうが深刻だった。人間の身体は1日が24時間の周期で機能しているのではなく25時間周期だからというのを何かで読んだことがあるが、「なるほど」と思いつつも、あまり、信じてはいない。
リタイアして出社の苦行から開放されたとたん、当初は、時制が狂いっぱなしだった。慣れないだけに昼夜が逆転してつらかった。しかたないとはいえ、深夜から早朝のテレビはつまらない番組ばかりでうんざりした。
完全リタイアから4年目に入り、慣れてきたからだろうが、すっかり落ち着いた。と、思っていたら、今回のように、その日を取り違えて認識するようになってしまった。誤りだとわかっていながら、修正できないままでいる。
これもリタイア後の弊害なのかもしれない。なんでも老化のためと思うと、ますます年をとってしまそうだ。会社、あるいは仕事などのよけいな頚城(くびき)がなくなったからの、ぜいたくな勘違いと思えばいいのだろう。この時制のズレ、早く正常に戻ってほしいものだ。