男臭い、ちょいワル達の大行進。KAMIYA2025年春夏コレクション
楽天ファッションウィーク2日目、都内に集結したファッションラバーの若者たちから、特に高い評価を受けたランウェイを披露したのが「KAMIYA」だ。
テーマは「Mannish Boy(マニッシュ・ボーイ)」。秋葉原の高架下にあるキャンプ練習場「canpass」をランウェイ会場に、今を生きる若者たちの反抗心、現代社会の男たちの泥臭さを洋服に乗せて発表した。
元々高架下というのは昔ながらの露店が多く集まる場所であり、時には仕事に疲れたサラリーマンたちの飲みの場として、時には夢を抱く若者たちのたまり場として、多くの人たちに愛される場所だった。
また、秋葉原も元々はアニメや漫画などのサブカル系のショップから、電子部品や機械系の商店までもが集まる、昭和・平成の男たちにとっては実家のような安心感がある街と言っても過言ではない場所だろう。
それまで渋谷や国立競技場の駐車場など、とにかくストリートに、良い意味で男臭さと言う点に関してストイックな姿勢で臨んできた神谷デザイナーだったが、今回もそのブレない姿勢は継続させながらも、以前よりさらに表現の幅を広げたコレクションを発表した。
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ストリートとテーラード、少し大人なちょいワル男に。
今回のコレクションと大きな一つの特徴として、ランウェイルックでテーラードを提案している点である。ファーストルックからジャケットを着用したルックを発表し、以降コレクションの随所にテーラードのアイテムを提案している。
特にジャケットは、ビンテージ感のあるオーバーサイズと胸元の柄がプレイフルなデザインがワンポイントであり、これまでのストリートテイストは表現しつつも、どこか正統派な雰囲気を絶妙に演出している。
オフィス街としても人が行き交う秋葉原。その雰囲気も相まって大人なちょいワル男、少しチャラいシティボーイ、などといった印象を感じる。
進化した表現の幅、より強まるKAMIYA「らしさ」
今回観客の視線を集めたアイテムとして、レザージャケットのトロンプルイユ加工が施されたカットソーや、大きな炎のグラフィックが特徴的なシューズなどが挙げられる。
特にトロンプルイユ加工は本元のMAISON MIHARA YASUHIROでも十八番のデザインとして親しまれているが、それをカットソーに落とし込み、且インナーでロンTを合わせるというスタイリングに荒々しい若者らしい、KAMIYAイズムを感じる。
炎のグラフィックのシューズに関しても若者らしい抜け感を演出できているとともに、うまくMIHARA YASUHIROとの差別化も図れており、このコレクションを機により「KAMIYAの」ファンが増えるだろうと感じた。
デコトラの襲撃とともに。ちょいワル達に祝福を!
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今回のランウェイの観客達にとって、何よりも強く記憶に残っているのがフィナーレで登場した「デコトラ」だろう。
「反抗期」「無双」などの文字が書かれたその煌びやかなトラックは、今を生きる男達についてこいと言わんばかりの大迫力であり、ランウェイ脇から一緒に登場した神谷デザイナーには割れんばかりの拍手と声援が送られた。