心理学を理解すればケンカはなくなるのか?
こんにちは! 説明兄さんのひろです。つい先日、知り合いからこんな質問を受けました。
「心理学を知っていれば、ケンカはなくなりますか?」
という質問です。詳しく話を聞いたところ、付き合って2年目の彼女とのケンカが多いそうなんです。これはつまり、
「心理学を理解すれば、恋人同士のケンカをなくすことができるのでは?」
という事なんですよね。実に興味深いです。皆さんはどう思われますか?
心理学を学ぶ事と、ケンカに因果関係はあるのか。
人に伝えたくなる心理学。本日のテーマは、
「表象書き換え理論」
です。
・ケンカはなぜ起こるのか?
恋人同士のケンカはなぜ起こるのか。ケンカのキッカケは色々あると思います。
・私の誕生日覚えてる?
・今度のクリスマスどうする?
・私と仕事、どっちが大事なの?
自分が過去に体験したエピソードを振り返っただけでも、これだけありました(笑)。この3つの質問を女性から受けて、ケンカに発展しないようにするにはどうすれば良かったのか。僕の記憶をもとに振り返っていきます。
「私の誕生日覚えてる?」
この質問をされたことがある男性は多いんじゃないでしょうか。彼女が誕生日を覚えているかを気にする理由。それは、好きな人に自分の誕生日を覚えていてほしいという彼女の願望、願いです。彼氏から大切にされているという実感が欲しい。彼女本人からそう言われた事があります。
「俺の誕生日は覚えてる?」
「・・・」
というオチまであったのですが(笑)。それは内緒のお話ということで。人は、自分が大切にされていないと感じると怒るケースがほとんどです。人に無視されたり、待たされて非常に腹が立つのも、やはり自分が大切にされてないと思うのが原因ではないでしょうか。それでは次の質問にいきましょう。
「今度のクリスマスどうする?」
です。夏だから海に行こう。秋だから山へ行こう。みたいな形で、クリスマスだから◯◯しよう。という言葉が恋人同士の会話で当たり前に使われています。クリスマスに一緒に過ごせないのかという彼女からの問いに、
「ごめん、仕事だから」
と伝えるだけで、彼女は不機嫌になってしまいます。やっぱり大切にされていないと思ってしまうのかもしれません。
「クリスマスは仕事だから、その前後でお祝いしよう」
「その日はクリスマスじゃないんだけど」
代替案を考えたのに、彼女の態度はやわらかくなりませんでした。クリスマスというイベントに特別な思い入れがあると感じたので、僕は質問してみることにしました。
「クリスマスじゃないとダメなの?」
「ダメ!」
「なんで?」
「だって、友達の◯◯ちゃんはクリスマスの日に彼氏と夜景の見えるレストランに行くって言ってたから」
ああ、なるほど。彼女が自分を大切にしてもらっていると思う基準が、友達カップルのクリスマスデートになっていた。つまり、
大切にされている = クリスマスの日に彼氏と夜景の見えるレストランに行く
という彼女の中の価値観。これが現実と違うことに、納得がいかない。だからケンカになってしまった。ということがお分かりいただけたと思います。では次の質問へいきましょう。
「私と仕事、どっちが大事なの?」
究極の質問ですよね。大事なのはもちろん彼女なのですが、自分の生活を養ってくれているのは仕事です。彼女とのデート代、彼女との将来のための貯金。これらをまかなってくれているのも仕事です。
彼女が求めているベストな答えは分かるのですが、冷静に考えると即答できなくなってしまいます。彼女にそのまま伝えても「言い訳しないで」と問い詰められるかもしれない。いや、実際に問い詰められた過去が僕にはありました。
この当時の僕は心理学はかじった程度です。普段から彼女の気持ちを理解するように心がけていましたが、彼女に対しても客観的な視点。心理学で言う、メタ認知の知識があれば。そう思っていました。
・心理学とケンカの因果関係
先程のお話、皆さんはどう思われたでしょうか。心理学を知っていることで、ケンカを防ぐことはできるのか。お互いが人の心理を理解していれば、もしかしたら防ぐことができるかもしれません。
しかし、付き合っている相手が心理学に詳しいかどうかは分かりません。また、自分の恋愛を客観的な立場で分析できる人もなかなかいません。そして、付き合うたびに相手に心理学を教えるのもおかしな話ですよね(笑)。
そもそも、お互いに心理学を勉強せずに付き合うケースがほとんどだと思います。ではどうすればいいんでしょうか。そんな疑問にお答えするのが今回のテーマ。
「表象書き換え理論」
です。
・表象書き換え理論とは?
難しい言葉が出てきたと思われたかもしれません。ご安心ください。難しいのはおそらく「表象」という言葉だけだと思います。そして、表象の意味を辞書で調べると「心に描く像。イメージ」と出てきます。
そう、表象書き換え理論とはイメージの書き換えの話なんです。
それでは具体的な例を挙げて説明していきましょう。
例)心理学の実験のお話
子どもが長方形の積み木をひとつずつ積み重ねて、どこまで積み上げることができるのかという実験が行われました。幼い子どもたちは積み木に興味津々。早速積み上げていきます。
▢■▢ = 長方形の積み木を表しています。
※▢=積み木 ■=重心
▢■▢
▢■▢
▢■▢
ほとんどの子どもが問題なく積み木を重ねることができました。そして、実験は次のステージへ。再び用意された積み木。これは少し特殊な積み木でした。ひとつひとつの積み木の重心、重りの場所が違うんです。
▢▢■
右に重りがあったり。
■▢▢
左に重りがあったり。
子どもたちはうまく積み上げることができません。先程までは、
▢■▢
▢■▢
▢■▢
こんな不安定な重ね方でも、積み木を積み重ねることができました。しかし、重心が端に寄ってしまうと。
▢▢■ ↘くずれる
■▢▢
崩れてしまうのが想像できますよね。また、積み木の大きさの種類も増えて、
↙くずれる ■▢▢▢
▢■
積み重ねる難易度も上がっています。子どもたちは積み木を重ねることができたのでしょうか。先程のようにうまくいかなくて、課題を投げ出す子どももいましたが、一部の子ども達は果敢に挑み続けました。そして、
■▢▢▢▢
▢■▢▢
▢▢■▢
■▢
それぞれの積み木の重心を見極めて、積み木を高く積み上げる子どもが現れました。積み木を積み上げた子どもに、一体何が起こったのか。
これが今回の、表象書き換え理論です。
子ども達は、今回の積み木にはそれぞれ重りがある。積み木の中心に必ず重心があるという表象(イメージ)から、重心が中心にない場合もあると理解し、それに応じた積み重ねができるようになった。
積み木という物質は変わってません。ただ、これに対する自分の認識。表象(イメージ)を書き換えたんですよね。
これさえ理解すれば、
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▢■▢▢
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重心がかたよった積み木でも、積み重ねることができます。同じものでも自分の認識が変われば、応用できる。これは先程の恋愛の話と同様です。
私達が初めて異性と付き合う時、恋愛の手本にするのはテレビや映画、漫画で見た物語だったのかもしれません。
ただ、恋愛関係を続けていくうちに、必ずしもテレビや映画と同じような恋人関係になるとは限りません。その時に表象(イメージ)を書き換えていけるか。大切なのは相手の事を理解していけるか、なんですよね。
例えば、
「恋人同士なら、毎日必ず連絡を取り合わなければならない」
という表象(イメージ)を持っている女性がいたとします。毎日の連絡、これが相手にとって苦痛だった場合。相手に負担をかけ続けて、この恋愛は続くのでしょうか。
理解してもらうために話し合う。そのたびにケンカになってしまう。そんな本人の理想を聞いてみると、
「彼氏との円満な関係を続けること」
客観的な視点で見ると、矛盾しているのが分かりますよね。たくさんの恋愛相談に乗ってきましたが、実はこういったケースが非常に多いんです。
では、どうすればいいのか。
相手の意見を受け入れることで、自分の表象(イメージ)も少しずつ書き換えて、お互いにとってベストな選択肢を見つけていく。これが一番ではないでしょうか。
恋愛を冷静に行うことは難しいですし、距離感によっては素直になることもできないかもしれません。
ただ、相手を理解することで、自分の表象(イメージ)を変えていく。自分を柔軟にしていくことができれば、きっとケンカは少なくなっていくのではないでしょうか。
・まとめ
今回は表象書き換え理論をお伝えしました。心理学を学べばケンカはなくなるのかというテーマですが、ここで面白い話を一つ。
心理学を学ぶと必ず出てくる心理学者が3名います。
・フロイト
・ユング
・アドラー
彼らはとても有名な心理学者です。人の心を理解する心理学者。その権威である彼らはケンカしなかったのか?
A.ケンカしてます
フロイトはユングと決別し、その後アドラーとも決別しています。面白いですよね。人の心が分かる心理学者でもケンカはしているんです。実際、心理学者でも離婚をしている人はいます。
お分かりいただけたでしょうか。
心理学は知識だけでなく、それを扱う人の人間性が大きく関わってきます。自分のスキルを磨く前に、まずは相手の理解。相手を受け入れる度量を持つ方が、よっぽど心理学の勉強になるかもしれませんね。
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