伊勢佐木町の町中華 「中国料理 玉泉亭」
友人と話していたら、横浜の伊勢佐木町に行こうと。
そうえいば、伊勢佐木町ってあまり行こうと思って行ったことがない。関内駅のすぐ近くあたりなら、何度か目的を持って行ったことがあるのだけれど、伊勢崎モールの奥の方、地下鉄の長者町駅があるさらに東の方にはほとんど行ったことがない。
ぶらぶらと歩いて昼飯としてどこかに入ろうといういうことで行ってみる。東京とは違って、だいぶまばらな人混み。正直、これくらいで十分というか、これ以上だと「混んでる」って感じになって心の負担が大きくなるので、なんとなく落ち着く。
でもやっぱりどことなく寂れてるなあ、とも思う。東京の下町なんか見ていると、割と個人商店なんかも活気があってわいわいしている雰囲気が感じられるのだけど、それと比べるとやっぱり神奈川、って感じはある。関内とか、みなとみらいとか、馬車道とか、そういう方面は光に溢れている感じだけど、こちらはちょっと影が差す感じ。もともと風俗街だったというのもあるのだろうな、と。治安的にもそこまで良いわけではないらしい、というのは伊勢崎町付近に住む後輩からの情報でなんとなく知っていたけど、なるほどこれは確かに。
そんな伊勢崎モールの観察もそこそこに、友人が「行ってみたかった」という中華料理屋へ。
看板には「中国料理」となっているけれど、立ち位置としては完全に「町中華」だと思われる。割と人気の店らしく、お客さんがひっきりなしに入ったり出たりしていて、開店が早い。
とりあえずの料理をつまみながら昼からビールという、なんというか、酒飲みムーブをやってみることに。
レバニラ。こってりした、ビールが進む味。レバニラといえばこれ、という味にどことなく懐かしささえ感じる。なんだろう、少しホッとするような。
不思議なもので、食べにくさというものがない。レバーのクセがないのは味が濃いからというのもあるけれど、ニラが噛み切れないものがない、というのがどういう原理なんだろうかと不思議になる。鮮度なのか? はたまた火の通し方? 自分がニラを調理すると、どうしても噛み切れなくてこまったりするのだけど。
自家製という焼売。これ、美味しい。なんというか、味つけがシンプルで美味し「すぎない」ところが美味しい。塩加減が絶妙に薄め。肉の旨味の強さもそこまでではなく、ガツンと来ない代わりに飽きない美味しさ。醤油は要らないのだけど、確かに辛子は欲しくなる、よく考えられてるなあ、と感心する一品。
もう一品つまみが食べれそうでもあったけど、満腹すぎるとこの後に支障が出そうだたので〆へ。広東メンとバンメンという、ちょっと謎なメニューがふたつ並んでいてどっちにしようか迷ったけれど、こちらは広東メンを。友人はバンメンを頼んだ。
広東メンは野菜と薄切り肉のあんかけそばだった。バンメンの方は、大まかには同じ構成で卵とじになっているのが特徴で違いになっていた。
いろいろな野菜が入っていて、特にしいたけが肉厚で美味しい。スープは醤油ベースに味覇みたいな中華的な味付けだろうか。塩気が強すぎない優しめの味。とはいえ自分が作るときに比べたら強めではあるものの、全体的に食べやすくてとても良い。
ちょっと意外だったのは麺が細麺だったこと。少し卵の風味が感じられる細麺。ラーメンをあまり食べない自分は詳しくないのだけど、これはなんとなく昔っぽいスタイルな気がする。
他のお客さんの注文を聞いていると、大体がサンマーメンを頼んでいた。横浜だしなあ、ということもあるけれど、ここのサンマーメンは人気メニューらしい。サンマーメンは「生馬麺」と書くらしいのだけど、「馬」には「上に乗せる」という意味があるのだとか。へー、トリビア。
自分たちのもそうだったけど、注文してから出てくるのがとても早い。気になって時間を測ってみたら、サンマーメンは4分ほどで出てきていた。早い、早すぎる。早い、安い、うまいで牛丼もびっくり。
この早さと美味しさ、そして気軽に入りやすい町中華然とした雰囲気が、長らく支持されている理由なのかな。
ごちそうさまでした。