タイガース検定を受けたことがある
#57
39歳のとき、僕は受験のため、
関西大学の千里山キャンパスにいた。
高校入試以来、18年ぶりの受験である。
会場に着くと、選手のユニフォームや法被、
派手な応援グッズを身に纏った虎党たちが
受験会場という場にそぐわないスタイルで
私語もない笑みもない緊張した雰囲気の中、
テキストを広げて静かに開始を待っている。
一部のマニアしか検定の価値がわからない
487人の受験者たち。球団が公認する
第1回阪神タイガース検定で問われるのは、
球団の歴史や記録に関する
100問の4択問題で制限時間は75分。
「新庄が槙原から敬遠球を打ったのは何球目?」
正解 → 2球目
「1985年の日本一のときの第6戦のスコアは?」
正解 → 9対3
「今年の公式戦で最初に三振を喫したのは?」
正解 → 矢野輝弘
公式テキストを買い、過去の試合を振り返り、
中学生の頃から虎の試合の勝敗を記録し、
スクラップした野球ノートを何度も読み返し、
サンテレビの「サン虎検定」で出題傾向を探り、
選手名鑑で選手の球歴と記録を確認し、
2か月間以上にわたる猛勉強。
仕事にも生活にも人生にも役に立たない
ムダな知識がハイレベルで吸収されていく。
人生の中で最も集中して勉強したと思われる。
愛と情熱を持って最大限の準備をして臨んだが、
1年目 76点、2年目 73点、3年目 79点、
4年目 68点と、モチベーションは年々 ↓ する。
4浪して挑戦したが80点の合格ラインに届かず、
3年目の受験者数はわずか66人に減っていた。
僕は全体で3位になったが1点に泣き、
合格率は3%で国家試験並みの難易度だった。
落ちた理由に心当たりがないわけではない。
怨敵に魂を売り、賞金に目が眩んで、
巨人の応援歌に応募した報いだろうな。
きっと。
今週の虎党の呟き😤
そないにムズくしてどういうつもりやねん。